第十二章 妖精達の休日
第一話 言動には注意しましょう
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ティファニアとセイバーが魔法学院に入学し十日が経った。
セイバー、ティファニアとそれぞれまだまだ勝手が掴めないまでも、それなりに落ち着いてきた頃である。未だ彼女たちの周りに誘蛾灯に誘われた虫のように集まる輩に対する良い解決方法が見いだせないままであったが、煩わしいだけで特に問題ではなかったため、そのままにしていた。色々と問題は抱えていたが、それも時間が解決するだろうとセイバーもティファニアも楽観的に考えていた。
過ぎる時間が解決してくれる、と。
様々な問題を前に頭を抱えるティファニアであったが、最近付きまとう男子生徒たちよりも困っている問題が発生していた。
それはクラスメイトの少女。顔を合わせれば何やら言いがかりをつけて絡んでくる少女である。
何が気に入らないかティファニアには理由が分からなかったが、何かある度に嫌味を言ってくるそんな少女であっても何時かは仲良くなれるだろうと考えていた。
しかし、それはどうやら浅薄な考えであったようだ。
その日、朝食を終えたティファニアは授業の合間にある休み時間に、教室の隅に一人窓枠に両肘を着き、手に顎を乗せぼうっと空を見上げていた。セイバーは何やら頬を染めた他のクラスの女子に呼び出されており傍にいない。
一人何もするでなく青い空を見上げているだけ、口から出るのはため息ばかり。吐き出されたため息は重く。吐き出す度に身体が重くなっていくようだと思い、ティファニアは更に重い溜め息を吐いた。
当事者たるティファニアにはその原因をハッキリと理解している。
色々な事が起こりすぎたのだ。
ウエストウッドの森に住んでいた時も、子供たちの世話で楽とは言えなかったが、この十日間で起こった出来事はそれとはまた別の疲労がティファニアの心身に積もらせていた。トリステインに来てから、魔法学院に入学するまで時間が怒涛の勢いで過ぎていった。何と言ってもトリステインに来てから最初の出来事からしてキツイものであった。入国手続きは直ぐに終わったが、直後にあったマリアンヌ太后陛下とマザリーニ枢機卿への目通りが地味にキツかった。幸か不幸かは分からないが、アンリエッタ女王陛下は、ロマリアへの親善訪問のため不在であったため、目通りはなかった。高貴な方との目通りは、精神がガリガリと精神が削られていくようなものであり、ティファニアの顔色は白から青へと移行することになったのだが、一緒に目通りしたセイバーは平気な顔をしていたため、お目通りの閭eィファニアはその豊かな胸の内で『裏切り者っ!』を連発していたのは秘密である。何が裏切り者なのかはティファニア自身にも分かってはいない。
雲上人たちとの謁見はとても疲れた、しかし、とティファニアは続けて思う。
一番きつかったのは孤児たちと別れた
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