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勇者番長ダイバンチョウ
第15話 特攻上等!ご先祖様が遺した新たな力
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分かってくれたのね、番】
「あぁ、今此処で俺があいつを倒さなかったら町がぶっ壊されちまうからな」
【聞きなさい、番。このバイクの名前は『特攻番長』と言うの。これは貴方の思い通りに動いてくれるわ。それにこれを使えば貴方は空を飛ぶ事が出来る】
「知ってるよ。さっき聞いたからさ。そうと分かりゃ反撃開始と行くぜ!」

 気合と共にアクセルを全開に回す。大型バイク、特攻番長の排気筒から勢い良く煙が噴出し、後輪が高速で回転を始める。

「特攻上等! ぶっちぎれ、特攻番長!」

 番の言葉と同時にダイバンチョウを乗せた特攻番長は大空へと舞い上がった。全身に強烈な重圧が圧し掛かってきたが、その程度何するものぞ。この程度の事で弱音など上げるわけにはいかない。
 そうすれば今度こそあの男に負けた事を意味するからだ。

「負けて溜まるか! あの野郎が残したってんなら俺はこの力を使いこなしてやる! あの男に一歩でも上にのし上がってやる!」

 歯を食いしばり、全身に力を込めてハンドルを握り締める。その光景を目の当たりにしたバット星人は正に驚愕の一言につきた。

「ば、馬鹿な! あのダイバンチョウが空を飛んでいる!? だが、その程度の付け焼刃でこの私を倒せると思わない事ですよ!」

 そう言い、再度光の速さで飛び回りだす。先ほどと同じだ。これでは戦いにならない。だが、番の表情に諦めの色はなかった。

「特攻番長! 奴よりも早く走れ! 限界の壁なんざぶっ壊せ! お前の速さを俺に見せてみろ!」

 更にアクセルを回す。特攻番長のエンジンが唸りを上げ、ダイバンチョウを光の速さの領域へと誘っていく。それは正に別世界だった。
 全ての光景がまるでスローモーションの様に過ぎ去っていく。そして、その遥か前方には同じ速さで上空を飛んでいるバット星人の姿があった。

「何! まさか、光の速さについてこれる筈がない! こんな辺境の星の技術でそんな事が可能な筈がない!」
「てめぇの能書きは聞き飽きたぜ! 陰険野郎はとっとと失せやがれ!」

 背中から木刀ブレードを抜き放ち、片手でそれを持ちバット星人目掛けて突進する。バット星人との距離が徐々に縮まり、やがて拳が届く範囲にまで到達した時、木刀ブレードを振り上げ、そのまま一直線に振り下ろした。
 
「ゲェッ!」

 悲痛な声を張り上げ、バット星人は墜落した。キリキリと回転しながら地面に激突し、無様な姿を晒す。

「へっ、どっちが醜いんだか、地面に降りればこっちのもんだぜ!」

 倒れたバット星人に向い特攻番長から飛び降り真っ逆さまに落下する。
 そのダイバンチョウを待ってましたかの如く頭を起こしたバット星人の口から超音波が発せられた。空中分解を狙っての事だったようだ。

「二度も同じ
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