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勇者番長ダイバンチョウ
第15話 特攻上等!ご先祖様が遺した新たな力
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あいつは音波を自在に操れるんだよ! ぐぅっ!」

 ダイバンチョウと紅バンチョウに向い容赦なく強烈な音波攻撃が浴びせられていく。その威力は凄まじく長時間浴び続ければいずれ番達の命すら危うい。
 だが、幸いにも音波を放っている間はバット星人自身身動きが出来ないようだ。
 それがバット星人唯一の弱点なのだろう。

「あいつ……動いてない! 今ならどうだ!」

 動かないバット星人に向いまずはメンチビームを放った。だが、バット星人の口から放たれる音波のせいでビームは掻き乱され、その姿を消してしまった。

「ビームじゃ駄目か、ならこれならどうだ!」

 次に放ったのはロケットゲタ。これも同じ様に強力な音波攻撃の前に推進力を失い、地面に落ちてしまい無駄に終わってしまった。

「無駄な努力ですな。その程度の力では私のこの音色を破る事は出来ませんよぉ!」
「く、くそぉ……これ以上は腕を動かすだけでもきつい……」

 攻撃し続けている間にもバット星人の音波は確実に番達の体力を奪い続けていく。それに、ダイバンチョウや紅バンチョウの体にも亀裂が走り出していく。いよいよ限界が近づいているのだ。

「そろそろお別れのようですね。さぁ、醜い瓦礫となりなさい! 番長組!」

 勝ち誇るバット星人。だが、その時だった。突然何かがバット星人を跳ね飛ばした。そのお陰でバット星人の音波は中断され、どうにか自由に動けるようになった。

「何だ? 攻撃が止んだ?」

 自由になった事でどうにか立ち上がるダイバンチョウ。そんなダイバンチョウの目の前に舞い降りて来たのは一台の大型バイクだった。
 それは、先ほど番が自宅の地下で見たバイクその者であった。

「こ、こいつは! 何でこれが此処に?」
【聞こえる? 番】
「お袋! これを飛ばしたのはお袋だってのか? 礼は言うけど何でこんな物を飛ばしたんだ?」
【聞きなさい、番。このバイクは貴方の弱点を補ってくれるわ!】
「俺の弱点?」
【そのバイクを使いなさい。そうすれば貴方とバンチョウ君は大空を制する事が出来るようになるのよ】
「空を、制する……けど、けどよぉ……」

 未だに番は渋っていた。このバイクを作ったのは他でもない。あの男なのだ。あの男の残した力になど頼りたくない。だが、これに頼らなければあいつには勝てないのも事実。

「俺は……あんな奴の力なんて、使いたくは……」
【何時までそんな駄々をこねてるの! 番、貴方も男なら覚悟を決めなさい!】
「お袋……分かった、あいつの力を借りるのは癪だけど、有り難く使わせて貰うぜ」

 観念し、番は決意する。父が残し、母が贈ったダイバンチョウの新たな力を使う決意を固めたのだ。
 大型バイクに跨り、ハンドルを握り締める。


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