第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十四話 巡り会し者
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物を目指し歩を進めるのであった。
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途中で会った巫女に天照の所在を聞き建物まで案内された虚空は一人廊下を進んでいた。巫女に部屋まで案内して欲しかったのだがどうやらこの建物は神以外の出入りを禁止しているらしい。
どの部屋に居るのかも分からない為虚空は廊下を適当に進んでいた、勘頼りともいう。そして暫く彷徨っていると少し奥の部屋から女性と思われる複数人の声が聞こえてくる。
声がする部屋の前にまで辿り着き襖に手をかけようとした瞬間、内側から勢い良く襖が開かれ一人の女性が現れた。
「此処で論じていても仕方ないでしょう!無駄かもしれないが私はこの周辺を探してみます!――!?貴様何者……だ……えっ?……ッ!!」
女性は襖を開けた先にいた虚空に問い詰める様に言葉を放つがその目は次第に驚愕したかのように見開かれていく。
腰までありそうな薄紫色の長い髪を大き目の黄色いリボンでポニーテールにし、白い半袖のシャツに赤いロングのサロペットスカートを身に付けその手には刃渡り七十cm程の装飾が施された鞘に収められている刀が握られている。
虚空を捉えるその赤い瞳は動揺を露にし女性と虚空の間にはなんとも言えない沈黙が訪れていた。
女性の反応に困っていた虚空は部屋の中に視線を向ける。そこにはもう一人女性が座布団に鎮座しており目の前の女性同様に虚空を見つめ驚愕している。
腰まであるロングの金髪に金色の瞳、長袖の白いシャツと目の前の女性と同じ種類と思われる青いサロペットスカート、膝元には青いリボンが巻かれた全周につばがある白い帽子がある。
女性二人の反応に困った虚空は仕方なく二人に問いかけた。
「え〜とごめんね、何処かで会った事があったっけ?」
虚空は苦笑いを浮かべながら問いかけるが二人は口を動かすだけで言葉を吐かない、いや動揺しすぎて言葉が吐けないのだろう。虚空自身何故この二人が自分を見て驚愕しているのか全く検討が突かずどうしていいのか分からない為部屋の入り口で棒立ちのままだ。
「……邪魔よ、退きなさいウスノロ」
虚空の背後から突然そんな辛らつな言葉がかけられる。
「あぁごめんね」
謝罪の言葉を口にしながら虚空は振り向き部屋の入り口から離れようとして声をかけてきた人物と向き合った。
そこに居たのは手入れなどされていないのか腰よりも長いボサボサの銀色の髪と少し濁って見える瑠璃色の瞳、薄紫色のスキニースーツと所々汚れている白衣に身を包んでいる女性。
その女性も先の二人と同じ様に、否それ以上に驚愕の表情を浮かべ、そしてその女性を目にした虚空はらしくも無い何処か夢見がちな表情を浮かべたまま固まっている。
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