私は一発の銃弾
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「私は一発の銃弾」
それがとある少女の口癖だった。
少女は名も知らないビルの上でスナイパーライフルを構え標的を待つ。
標的はクライアントから依頼された人間
名を水無月 蒼太16歳
岡山武偵高卒業生、武偵では無く皇偵として卒業
皇帝、武偵の上を行く存在
過去に世界を揺るがす程の力を持った人間の遺伝子を継いだ者しか成る事を許されない皇偵
成る為には試練をクリアーし才能を認められた一流の武偵
成れば1つの国の王と言っても過言では無い。
そんな相手が私の依頼された人物だった。
相手と言っても戦う訳では無い偵察と言った方が話が早い。
(来た、)
標的は歩いていた。
ゆっくりと私と言うハンターが見張っている事を知らずに
ここから標的の距離は1875m
私のスナイパーライフルなら余裕で撃ち抜ける距離
弾丸を確認、何処にも異常は無いか体調に問題が無いか自身に自問自答し答える。
(問題、なし)
改めてスコープに目をやり標的を見る。
標的は軽くあくび、呑気に歩いている。
(これが皇偵?)
疑問しか浮かばない。
見た限りでは標的は武偵高卒業生にはとても見えずのんびりと毎日を過ごしている普通の高校生
としか見えない。
いや普通の高校生より呑気に見える。
依頼は監視、だが、気になる。
武偵の上、皇偵とはなんなのか?
そんな事を考えていると私はスナイパーライフルのトリガーを弾いていた。
「パーン!!」
普通の拳銃からはけして出せない音
それは約2km離れた標的の頭を掠めるようにして撃った。
これが掠ればあれは只の人
もし、外れたならそれは、、、、、、
「!?」
少女は内心、驚いた。
顔は何時も通りの顔、だが、心の中では何が暴れていた。
(外した?)
標的に弾丸は掠らなかった。
確かに掠る筈の弾丸は掠りもせず地面にめり込み止まった。
標的は体制を低くし私の撃った弾丸を避けたのだ。
(有り得ない。確かに命中した筈なのに?)
スナイパーライフルの故障?私のミス?
そんな2つの言葉が頭の中をグルグルと駆け回る。
少女は一度、深く深呼吸し冷静さを取り戻す。
(銃は私を裏切らない。私は銃を裏切らない。)
視界良好、角度問題無し。
少女はもう一度、自分にチャンスをやりスナイパーライフルを構えスコープに目をやる。
そして自分が当たると確信したその時、トリガーを弾いた。
「バーン!!」
弾丸は空気の壁を突き破り進んで行く。
それはスローモーションのようにして見える。
弾丸に対して世界のスピードは無いに等しい。
空を優雅に飛んでいる鳥、走っている車、歩いている人さえも時間を失っている。
(当たる)
筈だった
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