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東方変形葉
変化と不変の入り乱れ
東方変形葉22話「遠い未来までは読み通せない」
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いて倒れたな。
「さて、君は大丈夫?」
襲われていた子供は、さっきまでは泣いていたがもうすっかり笑顔になった。
「ありがとー!まほーつかいのおにいちゃん!お礼におうちでお菓子あげる!」
魔法使いではないけど、説明するのは面倒なのでそういうことにして。そういえばこの前、寺子屋に来てほしいという手紙が来ていたな。折角だし人里に行くついでに寺子屋に行くか。
「じゃあお言葉に甘えるかな。ほたるちゃん、気配の域を拡大してくれる?」
気配の域を広げることで、妖怪の気配がわかるようにする。いつ襲ってくる妖怪に対抗できるように。
「わかった〜!えいっ!」
今は気配はないようだ。
「わあ!おにーちゃんの人形さんはしゃべれるんだね!」
子供は単純ないい反応をしてくれた。



「私たちの子供を助けてくださりありがとうございます。お礼と言ってはなんですが、これをどうぞ。」
子供の両親が頭を下げ、母親が包みを渡してくれた。
「お気になさらないでください。」
「いえいえ、ぜひお受け取りください。」
渡された包みをきらちゃんに持たせる。この子たちは意外と力持ちだから助かるな。
「じゃあね、もう襲われないようにするんだぞ。」
「うん!じゃあね!まほーつかいのおにいちゃん!」
家のほうにぺこりと頭を下げ、寺子屋へと向かう。えーっと、たしかこの道でよかったよな?



迷子になった。甘く見てたな、まさか人里がここまで広いとは・・・。
「おや、葉川殿ではないか。ここで何をしてるんだ?」
声をかけられ、振り向いてみると慧音がいた。
「ああ、寺子屋に行きたいんだが道に迷ったんだよ。あ、もしかして寺子屋に来てほしいっていう手紙を出したのは慧音なの?」
「おお、そうだ。ちょうどいい、これから授業があるから一緒に来い。」
「・・・俺は教えることなんてあまりないぞ?外では普通の成績だったし。」
外では、目立たないように平均点を意識した勉強をしてたからなあ。
「まあそういわずに。それに、寺子屋で教えてるのは簡単な読み書きと計算だ。お前にもできる。」
そういうものなのか。じゃあいいか。歩き始めた慧音についていく。・・・そういえば、人形に対して何の反応もないんだな。慣れてるのかな?



「じゃ、授業を始めるぞー!その前にある人が来ている。さあ、入れ。」
慧音に言われて戸を開けると、十数人の子供がいた。入った途端にものすごい歓声があがった。
「わー!ほんとに来たんだー!」
「きゃー!」
「うわーい!」
自分でもなぜこんな歓声が上がるのかよくわからない。
「静かにー!前に言っていたように、この人は私と同じようにこの里の守護者だ。なにかあったら、この人にも言うように!」
「いやいや、いつから里の守護者になったんだよ。俺。」

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