暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
24.救助の先
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間近で起きた爆発になにが起きたか理解できずにいる。
それはシュトラ・Dの攻撃でもない。彼自身もその攻撃に唖然としているからだ。
「なんだァ、今のは!?」
虚空から飛来した巨大な炎の塊。遠距離魔法攻撃だ。
囚人たちでもない。古城や雪菜でもない。それなら誰がこの攻撃を放ったのか。
だが、ひとつ心当たりがあった。
「──獅子の舞女たる高神の真射姫が讃え奉る」
彩斗たちの背後から聞こえたのは、少女の祝詞だった。瓦礫の山を蹴散らしながら、金属製の洋弓を構えた煌坂紗矢華が現れる。
ポニーテールの髪をなびかせながら彼女は、戦車に乗って現れた。
「極光の炎駒、煌華の麒麟、其は天樂と轟雷を統べ、憤焔をまといて妖霊冥鬼を射貫く者なり──!」
祝詞の完成に鳴り鏑矢が、上空へと撒き散らし、脱獄囚たちの頭上へと次々と降り注いだ。
この攻撃では脱獄囚たちを倒すことはできないだが、少なくとも姿は隠せる。
「乗って、雪菜、友妃! あと暁古城、緒河彩斗も!」
余裕のない口調で怒鳴りながら、紗矢華は、さらに呪矢を放つ。
この場では戦うよりも確かに逃げることが先決だ。
「行くぞ、逢崎!」
友妃の手を掴んで紗矢華の戦車に乗り込む。
この戦車はどうやら一人乗りで後部に荷物を載せるようの荷台があるだけのようだ。
だが、そこまで大きな荷台でもないため五人も乗り込めばギュウギュウ詰めは不可避である。
こんな状況で追撃などされれば反撃など一切できないだろう。
「で、古城。これからどうする? とりあえず優麻をどうにかしねぇと」
雪菜に抱きかかえられる優麻に視線を落とす。霊的径路を引きちぎられたせいで優麻はとても危ない状況にある。
「……どうにかできないか、煌坂。おまえだったら、治せないのか……」
古城が、すがるような口調で紗矢華に訊く。紗矢華は以前、アスタルテに応急処置を施した。
「無茶言わないでよ。あのときは止血すればどうにかなったけど、引きちぎられた霊的径路の修復なんてわたしの手には負えないわ。強力な魔女か、専門の魔導医師でないと……」
「魔導医師……か……」
古城は魔導医師という言葉に反応した。
「心当たりでもあるのか、古城?」
「ああ、いちおうな。煌坂。次の信号で止めてくれ」
紗矢華は古城の言葉に応答して、戦車を止める。
戦車が止まったのは、いくつものビル群で構成された巨大な研究所だ。白で統一された外壁が、どことなく病院を連想させる。
「ここって……もしかしてMARの研究所ですか……?」
雪菜が顔を上げて、古城に訊く。MAR──マグナ・アタラクシア・リサーチ社は東アジア地区を代表する巨大企業。
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