番外15話『激情晩その後』
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はまだ俺とナミが恋人関係になったということを説明してなかったのかもしれない。そういえばさっき3日寝てたみたいなことを言っていたのを寝ぼけ頭で聞き流していた気がする。
なんというか、目の前で説明されているんだろうという事実が恥ずかしくて、また顔を俯かせる。ルフィだとまたリアクションが大きそうでなんかそれも恥ずかしい。
どんな反応をするんだろうかと思いながらそれを見つめていると、それを聞き終えたルフィが案の定の驚きの顔で口を開く。
「ハントとナミがこいび――」
「――うぉ」
いちいち大声で言うなよ! 恥ずかしいから! そう思ってルフィの口を塞ごうとして――
「――夕食できたよ!」
「おっ! ほんとか!? よーし、食うぞ!! なんたって3日分だからな!」
ルフィの興味が一気に食欲へと移った。
「おーし、みんな行くぞ!」
と呼びに来てくれたおばちゃんに一目散についていく。
「そっちが勝つのかよ!」
既にいなくなってしまったルフィについ突っ込みを入れるけど、みんなもルフィと同意見らしく特に反応を見せずに、それどころか夕食という言葉に明らかに嬉しそうな表情でぞろぞろと出ていく。
「ハントの服もちゃんとそこに掛けてあっから、お前らもさっさと来いよ」
最後にウソップが俺の服の場所をその長い鼻で示してから扉を閉めて出ていく。
「……」
「……」
なんとなく取り残されてしまった俺とナミが笑顔を見合わせる。
「なんか俺、ホッとした」
「……何に?」
「俺とナミが……その、恋人関係になってもみんなほとんどいつも通りだったし……それに――」
「――『仲間失格だ!』とか言われて怒られたりとかしなくてよかったって?」
「!」
やっぱりナミに励ましてもらって安心した俺だったけど、ナミ以外のみんながそう思っているとは限らないっていう不安もないわけじゃなかった。だから、ナミに言われたことを心配していた。けど、本当に誰も俺に対してそのことに対して言わなかった。
サンジに関してもナミと俺に対して嫉妬の蹴りをしてきたけど本気で俺に怒ってるわけじゃなかったし、いつも通りというか想像通りというか、そういう感じだったし。
みんなのそんな態度が嬉しくて、そしてそれをナミにはばれていたことに嬉しさ以上に驚いた。
「ほら、ハント。私たちもはやく行きましょう?」
「あ……そ、そうだな」
傍らにあった甚平をパジャマの上から羽織って、自然と差し出されたナミの手をそっと握る。
「なんていうか……これからも、その、宜しく」
「うん、こちらこそ」
俺たちは家族で、仲間で、けど恋人。
最後の関係にはまだ慣れてないけど、けど俺とナミなら何の問題もない。
そう
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