第十話 休憩
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ルインはクスクスと笑いながらエックスを見つめる。
エックス「笑うなよ…それにしても君は料理が上手だね。俺も料理は出来るけど…お菓子作りは君に負けるんだよな…」
ルイン「戦闘型レプリロイドで料理が出来るのって何人いるんだろうね」
兄が家庭用ロボットであり、その後継機であるエックス。
元が人間であるルインくらいしかいないだろうが。
ルイン「実はデザートもあるんだ。」
小さなバスケットからチョコレートケーキを取り出すルイン。
エックス「ケーキ?」
ルイン「そう、今日はチョコレートケーキ。ゼロは食べてくれないからね〜」
エックス「ゼロは甘いの好きじゃないからね」
ルイン「そうなんだよ勿体ない」
ルインは紅茶をエックスに差し出しながら不機嫌そうに言う。
エックス「いただきます」
パクリと彼女が作ったケーキを一口頬張る。
チョコレートの甘い風味が口の中に広がる。
ルイン「どう?」
上に乗っている生クリームも自分のために甘さを抑えているのだろう。
甘くはないし、添えられている果物の酸味が程良く効いて、甘さをさらにしつこくない物にしていた。
エックス「美味しいよ。これならまだ食べられるよ」
ルイン「本当?やった♪」
嬉しそうな表情を浮かべるルインにエックスも穏やかな笑みを浮かべた。
食事を終えたエックスとルインは野原に仰向けになった。
太陽の光が気持ちいい。
エックスとルインは久しぶりのひなたぼっこを満喫する。
ルイン「う〜ん、食べた後寝るのは人間時代は厳禁だったんだけど、今は食べた後すぐ寝ても平気だからレプリロイドになってよかったって思う点かもね」
エックス「(確か…)」
聞いたことがある。
人間の女性の大半は体型を気にしているのだと。
人間時代のルインも例外ではないらしい。
思わずクスリと笑ってしまった。
ルイン「あ、何笑ってるのエックス」
エックス「ああ、いや…ごめんごめん」
謝りながらも笑いが止まらないエックスにルインは頬を膨らませる。
エックス「こういう穏やかな時が続けばいいのに」
ルイン「それを作るのが私達の仕事だよエックス」
2人がまた笑いあった。
戦いの間の少しだけの穏やかな時間。
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