第一話 二
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いるありすを唸りながら見下ろす。
そして、鋭い牙が何個も並んでいる口を開き、よだれを垂らしながら精一杯発声した。
「グァルィズスルル……」
「え?」
ありすは化物になっているナナシが、自分の名前を呼んだ気がして、驚いたように顔を上げて彼を見た。
「……ナナシ?」
彼女は試しにナナシの名前を呼ぶと、彼は人間の時と同じようにこくりっと頷いた。
ありすはおずおずとナナシへ質問する。
「わたしを……たべないの?」
ありすは化物になっている彼はきっと自分も食べるのだろうと思い怖がっていた。しかし、彼はありすだけ襲う気配が無い。
彼女は疑問に思って口にしてみるも、ナナシは人間の時と同じく、首を傾けただけだった。
だけど、ありすはナナシがいつものナナシだと分かり、ホッとした。
「よかっ……たぁ」
ありすは自分が食べられないと分かり、緊張の糸が解けたのだろう。
彼女の視界は暗転し、そのまま倒れるようにして気絶した。
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