第二話 始まりの放課後
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使いだとか、思ってるわけでもない。
だが、目の前に一人で、まるでそこに誰かがいるかのように話している人がいたら、少しそんなイタい考えをしてしまっても、仕方ないんじゃないか?
しかも、その人の顔を見てみると、同じクラスなのは、当たり前なのだが、その人物に内心驚いた。長い黒髪の中性的な顔。他のみんなはブレザーなのに彼だけは学ランだったので良く覚えている。確か名前は……三日月夜空といったはずだ。クラスの女子からも男子からも英雄王と呼ばれて慕われていている、いわゆる“リア充”だ。ボクの憧れに当たる人だ。なのにその憧れの人が…まさか…
ー悩んでいても、仕方ないか…
ボクはドアを一気に開ける。平気だ。きっと彼だってボクのことなんか相手にしないはずだ。話しかけてくることなんて…
「ああ?なに見てんだよ?」
ありました。いやいや、なに見てんだよ?って、どこのヤンキーですか?
「あの…別にボクは貴方を見てたわけでは…」
「じゃあ、なんでドアの隙間から覗いてたんだ?」
気づいてたのね…えーっと…ダメだ。うまい言い訳がない。
「すいません。覗いてました。そして、一人でおしゃべりしてる貴方を見ておりました。」
一矢報いてやろうと、皮肉まじりに答えた。すると彼はそれに対してバツが悪そうな顔をしながら、今まで座ってた机から降りた。
「ああ、そーかいそーかい。なら、みてたってことだよなぁ?ぼっちのボクっ娘ヤンキーさんよ?」
「前半は間違ってないから何も言えないけど、ボクはヤンキーじゃない??」
小鷹はたまらず突っ込んだ。今までいく度となく勘違いされてきたが、それを解こうとしなかったわけではない。今のように解ける時には解こうとしている。
「その髪でか?説得力ねえぞ。」
「うるさいよ。そんな時代錯誤のザ不良の格好してる人に言われたくないよ。」
ボクは冷静に突っ込んだ。それもなるべく平坦な口調で。
彼は怒りもせず、ふてくされもせず、ただ苦笑いしていた。どうやら自覚はあったようだ。
「それで?キミはなにしてるのさ?」
「ああん?なにって、友達と話してたんだよ。」
友達…だと…?あっれれ〜?おっかしいぞ〜?彼は今一人だ。電話してたならまだしも、ケータイなんて出してないし…
「ひょっとしてエア友達とか?」
……………………………。
あ、黙った黙っちゃった。図星だったんだ。
彼はフッと笑って胸を張った
「ああ、そうだよ!それが何か?」
「いっそ清々しいな、キミは??」
ここまでハッキリ言ってもらえると、なんかこっちも悪い気しないな…
「でも、英雄王とまで呼ばれてるキミがなんで、エア友達なんて作ってるのさ。」
「その呼び方やめてくれ
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