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あさきゆめみし―テニスの王子様―
7月7日、涙… その三 賭け
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人娘である自分にまともな恋愛ができるとは到底思えない。

 だから……。


「ごめんなさいっ」


 翌日、放課後を待って彼に声を掛けた。


「…理由を聞いてもええか?」


「……私には人を好きになる資格はないの」


 黒のズボンから伸びる足は寒い訳でもないのに先程からガクガクと震えている。

 体育館裏にあるテニスコートは授業の他、クラブ活動に使用するくらいで通常人気はない。


「…それは答えになっとらん」


「そんなの判ってるっ!」


「じゃあ…」


 侑士(ゆうし)が次の言葉を選ぶ前にその場から走り去ろうとするが今度は手首を掴まれ、逃してはくれなかった。


「じゃあ、賭けでもしよか」


「賭け?」


「そうや。俺と自分の気の長い賭けや。勝負しようやないか」


「……」
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