プロローグ
[1/4]
前書き [1]次 最後 [2]次話
ここは冥界……。
「ぐっ!?」
「うおっ!?」
「くっ……」
その荒野で戦っている三人の男性……冥界の魔王サーゼクス・グレモリー、堕天使総督アザゼル、熾天使長ミカエルの三人だ。
しかしそんな彼らは劣勢に立たされている。
それは彼らの目の前の存在のせいだ。
それぞれが地、水、火、風を司る最近確認された精霊王である。
そんな彼らが異種族である悪魔、堕天使、天使を滅さんとやってきたのだ。
「くそ、さすがは王といった所か……」
「どうした、サーゼクス?もうバテたのか?」
「まさか……だが、少しきついというのは否定しきれないね……」
「そうだな……ミカエル、お前ぇはどうだ?」
「私もお二人と同じといった感じです……」
三人は既に満身創痍だ。
それもそうだろう。
彼らはたった三人でこの精霊王四人を抑えているのだ。
他の仲間達は全員彼らの前に倒されてしまった。今はそれぞれの陣地に戻って回復を受けているだろう。
疲れないという方がおかしい。
『控えろ。異種族が』
『お前たちの存在が人間の害悪にしかならないのだ』
「く、ここまで、なのか……?」
そしてサーゼクスは気づく。自分達の後ろに何かがいる事を。
サーゼクスは一瞬後ろを振り返る。
そこにいたのは少年だった。
いや、少年なのだろうか?彼はフードを被り、顔が見えないようになっている。それによって彼が少年か少女かわからない。
その腰には不釣り合いになりそうな大きな剣が二振り下げられている。
「あんたらが精霊王だな?」
その声音から少年である事がサーゼクス達にはわかった。
『汝は何者だ?』
『控えろ。精霊王の前だぞ』
「控えないよ……ただ、あんたらがこうしている間にも人間界では大変な事が起こってる。俺はそれを止めるだけだ」
そう言って少年は腰に下げられている二振りの剣を抜き放つ。
「「「………………」」」
三人はそれらの剣を見て声が出なかった。
……………綺麗、と思ったのだ。
少年の左手にある剣は闇色に輝く漆黒の剣。おそらくは魔剣の類なのだろう。しかし邪な気配は感じない。
右手にある剣は左手の剣とは反対に光り輝く剣だ。その光から聖剣なのだろうという事わかる。
驚くべき事は少年がこれらの剣を同時に持っている事なのだ。
つまり、少年には魔剣と聖剣、二つを同時に扱う事が出来る才能があるのだ。
そしてそれらの剣は少年の背丈に合うような形に変わる。
「俺が望むのは……あんたらの中に存在している闇の死、だ」
そう言って少年はサーゼクス達を一瞬で追い抜き、一人で精霊王に立ち向かった。
「お
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ