暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第58話 別れ、そして約束
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慮もなしにハッチャケたわけだ。歌い慣れてない会長を部長が前まで引っ張りだしてデュエットしたり、イリナとゼノヴィアが聖歌歌い出して俺達が頭痛でぶっ倒れたり、龍巳と白音ちゃんがエンドレスアニソンメドレーに突入しようとするのを必死に止めたりと、そりゃあもう楽しい時間が過ぎた。

 んでもって今俺達は、そろそろサプライズなんかもあっていいだろうと皆の空いたコップを回収後、ドリンクバーにて飲み物に悪戯を敢行していた。まあ要するに誰もがやったことのある魔のミックスジュース作りである。しかしながらそんじょそこらのミックスジュースと同じにしてもらっちゃ困るぜ? なんせ俺達が作ってるのは見た目的には何ら問題のない、しかし口に入れた瞬間あまりの不味さに吹き出すであろう、究極の魔のミックスジュースだからな!

 人数分作るのにちょっと時間かかっちまったけど、不審に思ったような人も黒歌姉と龍巳がうまく足止めしてくれてることだろう。開いてるコップもあとひとつ、どうにかバレる前に完成しそうだぜ。

「さて白音ちゃん、最後の1個だけどどんなの作る?」

「お兄ちゃん、私に考えがあります。任せて下さい」

 そう自信満万に言った白音ちゃんは……無作為にジュースを混ぜ始めた!? おいおいそんなんじゃ……!

 止める間もなく完成したのは見るからに不味そうなジュースだった! っていうか何か濁ってる上に変な沈殿物まであるし、これマジで不味そうだ!

「ちょっと待て白音ちゃん! これじゃ誰も引っかかんねぇだろ!」

「ふっ、甘いですねお兄ちゃん」

「……どういうことだ?」

「今日は生徒会の皆さんや教会組の他にオカ研の人もいます。そのまま出しても多分オカ研の人たちは引っかかりません」

「あぁ、確かに……」

 今まで何度か皆で遊びに出たことあるけど、その度に代わる代わるで悪戯しかけたからなぁ……。

「俺達がジュースの補充に出た時点で警戒されてるか」

「はい、ですのでこれです」

「っ! そうか! 明らかに悪戯されてるジュースがこれ見よがしにあったら!」

「はい! 油断して他の一見普通のジュースには疑わず手を伸ばしてしまうはずです!」

 まさかそんな方法があったとは!

「ふっ、お主、なかなかの策士よのぅ……」

「いえいえ、それほどでも……」

「「ふっふっふ……」」

「よっしゃ、そうと決まったら早速戻ろうぜ! 皆どんなリアクションするか楽しみだ!」

「はい! 特に注目は会長と副会長のクールなコンビです!」

 確かに! 普段部長や朱乃さん以上にクールでいかにも年上の出来る人って感じのあの2人がどんなリアクションするのか想像もつかねぇ!

「でも問題は……後始末だよな……」

「……
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