第十四話
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恩を感じているのかは、別の問題だ」
「かったいなぁ・・・それに、やめといたほうがいいんじゃないか?」
顔を上げると、そこには・・・
「さっきも言ったように、俺の一族は外道の一族。潰れたとしても俺はそこの本家筋の人間だし。・・・忌むべき一族。何に巻き込まれるか、分かったもんじゃないからな」
とても悲しそうな顔があった。
あれだけの実力を持ちながら・・・いや、あれだけの実力があるからこそ、こんな表情をするのか。
「・・・だとしても、だ。それに、これでも人を見る目くらいはある」
「そりゃ、仕える主を選ばないといけないからな」
「そうだ。そして、主に選ぶほどではなくとも信用は出来る」
「・・・はぁ、どうしてこうも、俺の周りには意志の強い奴等ばっかりなのか」
やっぱり、土御門殺女も意志が強いのだな。
「・・・なあ、どこかいくあてはあるのか?」
「ないが」
「なら、いっそうちに来るか?」
その提案は、一瞬思考が止まるほどのものだった。
「殺女が寝泊りしてる方で、だけど。あっちなら部屋もかなり空いてるし」
「さすがに、これ以上迷惑をかけるわけには・・・」
「それなら気にするな。少なくとも、金銭的迷惑にはならないから」
どういうことだろうか。
まさか、いくらでもあるからというのか・・・
「さっき、俺は席組みだって言ったよな?」
「そう、みたいだな。それで?」
「光也のヤツが、俺は色々と特殊な例なんだから秘書くらい付けろ、ってうるさいんだよ」
「・・・話が見えないんだが」
いや、まさかと思うものはあるんだが・・・
「そこで、さ。俺の秘書やらね?」
「・・・まさかが当たった・・・」
いや、本気なのか?
「内容としては、うちに住み込みで三食付。ついでに学校にも通うか?」
「いやだから、金銭的な面は・・・」
「席組みの秘書を雇うんだ。全部陰陽師課に払わせるよ」
「・・・・・・・・・」
私に対する対応のスケールが大きくなりすぎてる・・・
「期限としては、雪姫が仕えるべき主を見つけるまで。仕事の内容は、そうだな・・・俺の仕事についてのまとめ、で。スケジュールとかも余裕があったら作ってくれると嬉しい」
「対応が良すぎるんじゃ・・・」
「そうか?・・・そうかもな」
自分で考えても思ったのか、少し悩むそぶりを見せてから笑って見せた。
なるほど・・・土御門殺女が彼のことを好いているわけが、分かった気がする。
さっきの怖い彼と、今の彼。このギャップはまた、ズルいな。
「とはいえ、忌むべき一族の生き残りで、卵でありながら席組みに入った、何て恨まれやすいやつの秘書をやるんだ。危険度も考慮に入れたら、ちょうどいい感じになるなじゃ
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