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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
黒守黎慈とフェンサー(1) ─信頼のカタチ─
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で思う。
 …………それでも、あの人を探し求める理由が自分にはある。

「見つけたなら縛り付けてでも捕まえておいてよ…………もう」

 彼女に言ってもどうしようもないことだが、それでも言わずにはいられなかった。

「私は私の都合で探してただけだもの。見つけたからって協会にも教会にも報告する気はないし。まさか翌日にアナタが来るとは思わなかったし」
「そういえば随分とのんびりしてるのね。そのキョウカイの追手と鉢合わせたら面倒なことになるのは目に見えてるんだから、用が済んだならさっさと帰るものだと思うけど」
「まぁ、ね。アイツを一晩中付き合わせた後、出ていくのを見送って私はここで休んでたの」

 昔からそうだった。彼女は何でも上手くやる。
 だから何年も彼に追い付けない私は、あっさりと先を越されてしまっている。
 彼女とてとんでもない失敗を仕出かすこともあるが、それも後の成果で取り返してしまうのが彼女の凄さ。

 そして私の要領が悪いのも昔からなので、これはどうしようもないのだろう。



 …………ところで、一晩中という言葉は意味深ではないだろうか?



 けれど私の知っている彼と彼女の関係からして、二人がそうなる可能性はほぼ皆無だ。
 つまり私がつまらないことを気にしすぎなだけ…………そう思っておこう、聞くのも怖い。

「アナタもかなり変わったわよね。色々と話は聞いてるけど……やっぱりアイツの影響なのかしら?」
「────そうね、自分のために命の時間を使ってくれた人。
 世界と天秤に掛けたって貴女の価値には釣り合わない……なんて言われちゃって、ちょっとときめいちゃったかなー」

 しかもそれを実践しちゃって、七十万という数と引き換えに私一人の命を救ってしまった。

 どうしようもないバカだと思うけど、私自身さえ諦めていたものを見事に助けられてしまっては、正直罵倒する言葉なんて何も言えない。

「うっわ何それ。一生に一度はそんな台詞言われてみたいわー、乙女的に」
「だから彼の努力や想いには報いてあげたかったし、七十万の魂に救われた命として世界に小さな幸福を返していくことを贖いとしてた」

 世界を巡っているときは困っている人を助けたり、孤児を修道院などに送り届けたり、設備の不十分な施設に寄付したり。

 そんな小さい人助けを積み重ねていた。
 別に彼が私を助けるために七十万人を殺したわけでもないし、重大な罪を犯したわけでもないが、これは私なりの気持ちの整理の付け方だ。



 誰にも救われなかったモノ。
 本来は私もそうなる定めだった、救われる筈のなかった者だ。



 だからこそ彼らの死を悼み、その魂によって救われた私が彼らに代わって、私たちと同じ運命にある者た
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