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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
黒守黎慈とフェンサー(1) ─信頼のカタチ─
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》であると知れ。


「っ……そんな…………!」
「ふーっ、ふーっ、モグモグ。あぁー、美味いなぁー」

 わざとらしく声に出しながら食べる。

 何を隠そう、これはフェンサーへの仕返しである。
 ささやかすぎる反撃なので効果があるかわからなかったが、存外にフェンサーは自分の分が用意されていないことにご立腹のようだ。

 そろそろ反省しただろうか?
 まぁ素直に謝るなら今からでも用意してやっても………………

「決めたわマスター。私、ストライキを決行する。止めさせたければビーフストロガノフを私の分も作るのよ」
「飯の一つで反逆すんじゃねぇよサーヴァント。しかも何で上から物言ってんだ」
「マスターだからって自分が上だとでも思ってるの? つくづく頭のおめでたいマスターね」
「……………………」

 あ、ダメだ。カチーンときましたよ。

 こうなったら力ずくでどっちが上なのか分からせてやる。

「おまえ、魔術師の能力によって強制力が変わる令呪を嘗めてるな。今から全裸で町内一周を命じたって構わねぇんだぞ」
「令呪をそんな下らない命令に使おうだなんて、あなた本当に魔術師なの? そんな低脳なマスターなら、もう全面抗争も辞さないわ」
「…………よかろう、ならば戦争だ」

 机を部屋の隅に移動させ、広い空間を確保。
 邪魔になりそうな小物などを、一時的に片付ける。

 戦闘体勢を取りつつ全身を強化。
 端に寄せた机の上にあるスプーンを持ち、ビーフストロガノフを容れていた皿を叩く。



 ──────カァン!



「っ……!」

 動いたのは俺が先だった。

 セルフゴングを鳴らしてから間合いを一足に詰め、拳を繰り出すようにして手を伸ばす。
 だが先手必勝とばかりに掴み掛かろうとした手を軽く払われ、代わりに流れるような足払いを喰らう。

 しかしそのまま倒れることは良しとせず、咄嗟に彼女の服を掴んで共倒れした。

 その際に上下を入れ替えるように回転し、フェンサーを床に叩きつける。

「くっ……」

 サーヴァント相手にダメージなどないだろうが、元々そんなことは考えてはいない。

 叩きつけた衝撃によって硬直した隙に、相手の右足首を左脇に抱え込む。
 続けて両足で右足を固めながら、左手首の骨を宛がいアキレス腱を圧迫する。

 古典的なプロレス技、アキレス腱固めだ。

 ふふふふ……さぞかし驚いただろうし痛いだろう。
 彼女が生きていた時代には多分こんな格闘技は存在しなかったはずだ。

 もはや人間だと思わず、足の骨を折るぐらいの勢いで体を後ろに反らす。

「いッ……! 痛い痛い! ちょ、レイジー!!?」
「ふははは、さすがのサーヴァントも肉体的な
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