第二章
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「あんた達イタリア人だからな」
「ああ、陽気なイタリア人だぜ」
「ローマから来たな」
「俺もだけれどラテン系だからな」
見ればチンベッサの顔もイタリア人達の顔もラテン系だ、誰がどう見ても。
明るい表情で眉は太めだ、しかも顔には彫があり剃っている髭の後は濃い。
しかも髪も目も黒い、黒髪は縮れていて天然パーマ気味だ。その姿で西部劇はというのだ。
「ちょっと違うか」
「おいおい、アメリカにもイタリアンいるぜ」
「ラテン系もな」
「だから別にいいだろ」
「イタリア人が西部劇をしてもな」
「それでもいいだろ」
「それもそうか」
チンベッサもただ言ってみただけなのでこれで納得した。
「今こうしてパスタ食って西部劇作ってもいいか」
「砂漠でパスタ食うのがイタリア人だぜ」
ここで一人がこんなことを言った。
「第二次大戦でもそうだろ」
「ああ、あんた達そうだったんだ」
「そうだよ、水を大量に使ってな」
「水は用意してたんだな」
「そうだよ、今だってそうだよ」
荒地でもだ、彼等はパスタを茹でる為の水を大量に持って来ているのだ。もっと言えば他の食材にワインまで持ってきている。ジェラートも欠かしていない。
「あんたと一緒に食ってるんだよ」
「こっちも飯は用意してるけれどな」
「パエリアだな」
「他の料理が出来る食材もな」
用意しているというのだ、チンベッサにしても。
「こっちも食うことを楽しみたいからな」
「だよな、その気持ちわかるよ」
「お互いラテン系だしな」
「ラテン系はそうだからな」
「よくわかるぜ」
イタリア人達っもチンベッサのその言葉に笑顔で応えた。
「やっぱり飯は美味くだよ」
「何処でも美味いものを食わないとな」
「美味いものを食わないといい映画も作れないぜ」
「全然な」
「そうだよな、じゃあ今回も頑張ってくれよ」
パスタの中の茄子やベーコンも食べながらだ、また言ったチンベッサだった。
「いい西部劇作れよ」
「ああ、わかってるさ」
「今回も頑張るぜ」
「最高の西部劇作るからな」
「絶対にな」
「頼むぜ、そうじゃないとな」
ワインも飲んで言うチンベッサだった。
「一緒に仕事する方も張り合いがないからな」
「そう言ってくれるか、今回も」
「悪いな」
「悪くないさ、とにかくな」
「ああ、飯食ってシェスタの後でな」
「撮影だよ」
シェスタは忘れなかった、これはチンベッサも同じだ。これもラテン系である。
「それからな」
「シェスタはしないとな」
「ああ、辛いからな」
「それはないとな」
ラテン系同士だからこれは絶対として話せた。イタリアでもスペインでもシェスタをしないとやっていけるものではない。
こうした考えだからだ、それで。
彼等
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