第16話 最後の殺し合い VS人の皮を被った化け物
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る音がして、目を開けたら――
「!? 兄さん!? なんでここに!?」
勇人の兄、勇輝が鉄パイプを片手で止めていた。
(まさか……高所からそのまま降りてきて……)
「よう、勇人。ずっと“表”で雑魚の相手をしていて鈍ったか?」
「お前は……空山ああああああ!!!!」
鉄パイプを持っている男が叫びながら力を込めて鉄パイプを押す。
「へっ、話になんねえよ!! 地獄で修行してから出直してきな!!」
勇輝が男を鉄パイプごと持ち上げ、地面にたたきつける。
「なんで、化け物がここに……」
「おい!! 奴は自分から動く事なんてないはずだろ!?」
「知ったことか!! とりあえず数で押せ!! それなら殺せる!!」
どうやら兄さんは“裏”では有名人のようだ。
「勇人、ここは俺に任せな!!」
「兄さん……」
「相馬の野郎は俺も気に食わん。奴はこの先だ。ぶちかましてこい!!」
「うん!!」
勇人は相馬の向かった方向へ走り出す。
「逃がすな!!」
男たちが勇人を追いかけるが……
ドン!!
「なっ……」
男たちの先には軽量鉄骨を構えた勇輝が立ちはだかっている。
「俺があいつの背中を守っている限り……あいつの背中にたどり着けると思うな」
「おい!! 化け物!! このままじゃ“裏”が滅びるんだぞ!! そしたらテメエも死ぬぞ!!」
「知ったことか!! たとえ“裏”が消えようが俺は死なねえ!! 死なねえ自信があるからな!! あと、化け物言うなコラ!! こちとら歴とした人間じゃあ!!」
「こいつ……」
「さあ、“裏”の存続を賭けた戦争の始まりだ!! 死にたい奴からかかってきな!!」
「はあ……はあ……見つけた……」
「相馬――!?」
勇人は驚愕した。相馬の周りに武装した男が2人倒れている。
(あの倒れている2人は相当の手練れだろう……まさか……こいつ……)
「……私を追ってくることは予想していたが、まさか追いついてくるとは……奴らを全員殺してきたのか?」
「兄さんが……空山勇輝が僕の代わりに奴らと遊んでくれている」
「何……? 奴に弟がいたのか……“裏”が生んだ化け物に弟が……」
「兄さん、ここじゃ有名人だな……」
「確かに奴は有名人だ。この“裏”という世界が生んだ化け物。その気になれば“裏”を支配し、“裏”そのものにもなれただろうな。何故、奴が“裏”を制さなかったか気づいたよ。奴も人の心を持っていたって事か」
「だが、あんたは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ