第七話 戦いの前の一時
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
フォースって最近創設された軍隊だったよな?そっちではどんな物なんだ?」
ルイン「向こうは缶詰だよ。こっちとは比べものにならないね」
“太古の保存食品”のために生産減少の缶詰だが、レプリフォースにいる友人に薦められて食べてみると味はちゃんとしていたし、鮮度も保たれていた。
レプリフォースは缶詰の保存性の高さを信用しているのだろう。
それに比べたら、ハンター機関のレーションはまずいの一言だ。
ルイン「そうだエックス。いい物が手に入ったんだ。今から淹れるね」
ルインは食べ終えたレーションの容器を片付けると、キッチンに向かう。
何かを取り出すような音と、それを置くような音が聞こえたかと思うと。
がりがりがり。
耳慣れない音が響く。
エックス「…?」
エックスは疑問符を浮かべるが、ルインが作るのだから問題はないだろうと待つ。
ルイン「お待たせ」
2つのカップを持ちながら、ルインはエックスにカップを一つ渡す。
エックスの目の前に重厚な琥珀色をした飲み物が、香ばしい香りを湯気と共に発していた。
エックス「え?こ、これはもしかしてコーヒー?」
ルイン「そうだよ?」
エックス「…凄いじゃないか、ルイン。このコーヒー、本物だろう?」
エックスの瞳が感嘆に見開かれる。
今の時代、こういう嗜好品は殆ど存在しない。
ある種の根を使った代用コーヒーですら入手は難しい。
年々深刻化する環境の悪化の影響だろう。
エックスは映像ではない実物のコーヒーに驚いた。
ルイン「えへへ、驚いたでしょ?実物のコーヒーなんて見るの初めてじゃない?」
エックス「ああ」
ルイン「にしても、随分手間が掛かっちゃった。待たせてごめんね?」
エックス「いや、構わないさ。コーヒーを挽いている音を聞くのも新鮮で良かったよ。それにしてもこんなにもいい香りがするなんて…だけど道具を揃えるのも大変だったんじゃないのかい?」
ルイン「えっと…コーヒーミルと、ドリップ用のフィルターはケイン博士から貰ったの」
エックス「ケイン博士から?コーヒー豆はどういう経路で?」
ルイン「レプリフォースにアイリスっていう知り合いがいるの。レプリフォースの研究所で作られた豆を分けてもらったんだ。」
エックス「君って結構友好範囲広いよね…」
ルイン「そう?ゼロだってレプリフォースに知り合いがいるし、普通じゃないかなあ?」
エックス「はは…それにしても凄いな…映像じゃない本物のコーヒーを見るだけじゃなく飲めるなんて…ありがとうルイン。」
ルイン「どういたしまして
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ