第七話 戦いの前の一時
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」
ルイン「…………」
ふと、エックスの脳裏を過ぎるのは反乱軍の爆破テロのために下敷きになって機能停止してしまったレプリロイドがいた。
その瓦礫の近くで子供が泣いていた。
自分を助けてくれた彼のために、子供は泣いていた。
エックスは泣きじゃくる子供を背負って、彼の両親の元へと送った。
この子を生かした優しさがとても尊く、この子の流した涙がとても悲しいと思えたから。
ルイン「エックス、私達レプリロイドだって完全じゃないんだよ?何でも背負おうとしないで」
エックス「……でも」
ルイン「もしエックスがシグマを撃っていたらシグマと一緒にゼロも死んでいたよ」
エックス「…っ」
ルインの言葉にエックスは閉口してしまう。
ルイン「何が正しくて、何が間違っているのかは…私にも分からない…。けど私はシグマのしようとしていることは間違っていると思う。エックスは違うの?」
エックス「そんなわけないじゃないか!!」
シグマの言う通り犠牲の無い進化など確かに無いかもしれない。
種として生きるには、進化は確かに必要なのかもしれない。
だがエックスは流された血に触れて…。
流された涙を前にして…。
分かるのだ。
言葉には出来ないが分かるのだ。
こんなことは間違っていると。
心が叫んでいる。
ルイン「それが分かっているならいいんじゃないかな?」
エックス「え?」
ルイン「心が“違う”と、“間違っている”と言っている。それでいいんじゃない?」
エックス「…………」
ルイン「エックス、私達は戦わなきゃいけない…そして勝たなきゃいけないんだシグマに。それが、私達のミスで死んでしまった人々やレプリロイド達に出来る唯一の償いだと思うから」
エックス「…そう、だな……」
ルイン「エックス、あなたは一人じゃない。ゼロやケイン博士…私だっているんだから」
ルインが笑みをエックスに向ける。
エックスもルインに笑みを返した。
ルイン「よし、それじゃあご飯だね♪ハンターベースのレーションだけど食べよう。あんまり美味しくないけど」
エックス「そうだね、頂くよ」
ハンターベースでは賞味期限の切れる半年前に新品のレーションと交換する時、ルインを含めたハンターが食事代わりに少しいただいていくのだ。
ハンターベースのレーションは弁当のようなタイプだ。
付属の粉末飲料のオレンジを水で溶かしてテーブルに置き、過熱したレーションを置く。
中身はライスにチキンステーキ、ベジタブルミックス、ドライフルーツ入りの小さなケーキ。
ルイン「う〜ん、やっばりハンターベースのレーションはあんまり美味しくないな…レプリフォースの方が美味しいよ」
エックス「レプリフォース?レプリ
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