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ギロチンの女
第六章
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た、私としても己の責務を果たせた」
「皇帝としての」
「そのことをですか」
「皇帝は国を安らかにしなければならない」
 ナポレオンはこのことは強い声で言い切った。
「例えそれが悪霊であってもだ」
「退けてですか」
「安らかにしなければならないのですね」
「そうなのだ、だからだ」
「それで、ですか」
「よかったと言われるのですね」
「その通りだ、この世は昼だけではないが」
 ナポレオンもそのことはよくわかっていた、この世界は昼だけではないということが。そして夜には多くの生者ではない者達がいることも。
「しかしだ」
「夜の者を使えば夜のことも収められる」
「そうした者を見出し使うことですか」
「そういうことになる、私はな」
 ナポレオンは満足している顔で述べた、町の奇怪な事件は無事に終わった。だがデュパンはこれまでと変わらず夜を愛していた、その中で生き続けたのだった。


ギロチンの女   完


                                2014・2・27
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