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とある星の力を使いし者
第145話
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でどうにかなるレベルではないのは、男も痛みの程度で分かるのだろう。
そもそも、あの木原数多が負傷し足手まといになった部下をどのように扱うのか、誰よりも理解できている筈だ。

「ひっ!?」

決断は速かった。
ガォン!!という甲高いエンジン音と共に、一方通行(アクセラレータ)を乗せた黒いワンボックスカーがヒステリックな挙動で発進した。
麻生が来たのに一方通行(アクセラレータ)は何故、逃げの一手をとったのか。
理由は簡単だ。
このまま木原を殺しても、打ち止め(ラストオーダー)を追い駆けている『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』に捕まってあの世界に連れて行かれれば、その時点で一方通行(アクセラレータ)の負けだ。
とりあえず、打ち止め(ラストオーダー)の安全を確保する方が先決だ。
黒いワンボックスカーが発進するのを見て、麻生は持っている黒鍵を木原達に、正確にはその手前のアスファルトに突き刺すように投げる。
深々とアスファルトに刺さると、先程と同じ様に爆発する。
木原は薬品を塗って化学変化を起こして、爆発させているのだと判断したが実際は違う。
『火葬式典』という魔術付与が込められた魔術の一つだ。
爆発に怯んでいる間に、麻生は呆けているインデックスを抱きかかえる。

「わあああ!!」

場違いな悲鳴を漏らす。
それを気にせずに、木原達から離れようとしている黒いワンボックスカーの車内に空間移動(テレポート)する。

「えっ・・えっ!?」

いつの間にか車内に移動している事にインデックスはついていけていないようだ。



それらを見届けた木原は気の抜けた声を出して言う。

「アレだアレぇ、アレェ持って来い!!」

ムチャクチャ過ぎる注文の出し方だが、部下は従順に応じた。
残るワンボックスの中から迅速な動きで携行型対戦車ミサイルを木原へ受け渡す。
それでも木原はさっさとしろ間抜けと怒鳴って部下を殴り飛ばす。
プロのオペレーターがキーボードを叩くような正確さと素早さで、一気に砲を組み立て安全装置を解除していく。
その動きには一切の迷いがない。

「う、運転手は!?」

「関係あるかよヤッハーッ!
 脱走兵は即刻死刑!
 さようなら、子犬ちゃん、あなたの事ァ二秒ぐらい忘れませんってなぁ!!」

ガコッ!と木原は全長一メートル、太さ三〇センチほどの砲を肩に担いで側面のスコープに目を通す。
照準を合わせる。
追尾ミサイルの引き金に指をかける。
数十メートル進んだワンボックスは通り角を曲がろうとしている所だった。
間に合う。
たとえ自動車が曲がりきっても、ミサイルは車を追って斜めに進み、角のビルの壁にぶつかれば、コンクリート片の嵐を喰らってワンボックスをひっくり返る筈だ。
一方通行(アクセ
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