第145話
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打ちをして、大きく後ろに下がる。
黒ずくめ達も突然の爆発に驚いていたが、怪我はない。
だが、一方通行から余裕を与える距離を生んでしまった。
近くのビルの上から黒い影が舞い降りてきた。
ちょうど、一方通行と木原達の間に降りた。
白髪に全身が黒の服で統一された男性。
麻生恭介が突然やってきた。
手には先ほどと同じ剣が両手合せて六本、指の間に挟まっている。
「麻生・・・」
「恭介・・・」
一方通行とインデックスは麻生の名前を呟く。
木原はその二人の反応を見て、この男が二人の、一方通行の知り合いである事に気づく。
それなら容赦する必要はない。
元々、自分達の存在を知り、尚且つ邪魔をしたのだ。
生かす意味はないし、殺す事しか頭にない。
「殺せ。」
その一言で、黒ずくめたちの持っているサブマシンガンが火を噴いた。
自動車のドアを穴だらけにするほどの威力を持った弾丸が麻生に襲い掛かる。
麻生は黒鍵を構えると、弾丸を全て弾いていく。
六本の黒鍵を巧みに使い、弾丸をアスファルトに叩きつけ、黒ずくめの男達がサブマシンガンの弾を全て撃ち切っても麻生に傷一つない。
さらに、黒鍵の刀身と刀身の間にはサブマシンガンの弾丸が挟まっている。
それらを見た黒ずくめ達は息を呑んだ。
木原だけが、麻生を注意深く観察する。
(何だこのクソガキ。
あの数の弾丸を全て超能力なしで防ぎ切った。
いや、実際には目には見えない超能力で防ぎ切ったのか?
あの剣には化学変化で爆発する薬品が塗られている。
さて、どう攻める。)
突然の登場だが、油断できない。
初めて木原から余裕の表情が消える。
「今だ、一方通行。」
それを聞いた一方通行はチョーカー型の電極に注意を向ける。
能力はまだ使える。
ボロボロの身体に鞭を打って、ベクトル操作を行う。
思い切り地面を蹴って、そのベクトルを制御して一気に浮く。
恐るべき速度で、一番近い黒いワンボックスカーの後部スライドドアへと収まった。
運転席で待機していた黒ずくめの男が反応する前に、一方通行は潰れて押し込まれたドアに手を伸ばしスライド部分の金具を毟り取る。
ギザギザに尖った、幅五センチ、長さ二〇センチほどの棒状の鉄片を握り締めると、それを勢い良く運転席の背もたれの真ん中に突き刺す。
ずぶり、と。
音というより感触のようなものを得た。
悲鳴すら上げる事もできず、運転席に縫い止められた男に、一方通行は語る。
「進め。
オマエは三〇分で死ぬ。
さっさと病院に行かねェと手遅れになるぞ。」
応急キット
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