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とある星の力を使いし者
第145話
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う。

(起きろよ幻想(ラッキー)・・・・。
 手柄はくれてやる。
 俺を踏みにじって馬鹿笑いしても構わねェ。
 誰か、誰でも良いから、あのガキを・・・・)

願いが届く筈がない。
工具箱は容赦なく振り下ろされる。
その直前で、

「そこで何をしているの?」

あ?、と木原は振り上げた腕を止める。
装甲服を着込んだ連中が声のした方へ振り返る。
距離は二〇メートルもない、
そこらの細い脇道から、不意に出てきたのだろう。
小雨の降り注ぐ夜の街の中、傘も差さずに立っているその人影は、街灯の光を照り返してぼんやりと輝いている。
その影は腰まである銀の長い髪を持ち、色白の肌に緑色の瞳を備えていた。
格好は紅茶のカップのような、白地に金刺繍を施した豪奢な修道服。
だが、その所々に安全ピンで留めている、とてもアンバランスな服を着込んでいた。
その両手には、こんなギスギスした世界とは縁のなさそうな三毛猫が抱えられている。
一方通行(アクセラレータ)は、倒れたまま思い出す。
彼女の名前はインデックス。
その声は一方通行(アクセラレータ)や木原数多、『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』の耳に染み込んだ。

(最悪だ。)

一方通行(アクセラレータ)は崩れ落ちたまま、ぼんやりと思った。
場違いにもほどがある。
チャンスどころか、これでは厄介事が増えただけだ。
木原も眉をひそめていた。
彼が命令を出せば、少女など数秒で挽肉になる。

「どうしますか?」

周囲を固めている黒ずくめの一人が、木原に耳打ちした。
木原はつまらなさそうに息を吐くと。

「どうするって、お前。」

一言。

「消すしかねぇだろ。」

一方通行(アクセラレータ)は舌打ちする。
インデックスは『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』の活動を目撃している。
存在自体が隠されているであろう非公式工作組織をだ。
それが示すのは当然口封じという言葉だった。
彼女はもうここから逃げた所で延々と追跡される立場にある。

(どのみち黙っていたって俺が殺される事に変わりはねェ。
 ならやってやろォじゃねェか!!)

そう一方通行(アクセラレータ)が決意して行動に移そうとした時だった。
ガンガンガン!!、とアスファルトに何か突き刺さる音が聞こえた。
その場にいた全員が音のする方に視線を向ける。
それは剣だった。
赤いシンプルな柄に刃渡り八〇〜九〇センチの剣が突き刺さっていた。
剣は五本。
先端が二〇センチ程度、アスファルトに刺さっている。
それらは木原と黒ずくめの男達中心に刺さっていた。
そして、埋まっていない刀身の部分に赤い刻印が浮かんだ瞬間だった。
ドドン!!、とそれらが爆発した。

「ちっ!!」

木原は舌
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