第145話
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で怪しいじゃねぇか。
だったら第三位の超電磁砲じゃなくて、第一位のテメェのクローンを作るべきだろうがよ。
ナニかがあるんだよ、そこには。
テメェがちっとも理解していねェ何かが、だ。」
「クソったれが・・・・
俺以上にあのガキを分かってねェオマエが、テキトーなコト言ってハシャいでンじゃねェよ。」
木原はニコニコ笑って、重たい工具箱の角を両手で掴み、握り心地を確かめる。
彼は笑って言う。
「感動的だねぇ。
本人だって大喜びだ。」
一方通行の心臓が止まるかと思った。
彼の身体は動かない。
それでも、倒れたまま、這いつくばって姿勢で顔だけを動かす。
一〇〇メートルほど離れた場所。
そこに、その先に、黒ずくめの男に二の腕を掴まれ、だらりと残る手足を揺らしている、小さな少女がいた。
「回収完了、って所だな。」
木原数多の声が、一方通行の耳から遠ざかっていく。
地面に倒れた彼の視界の先に、三人の人間がいた。
二人は並んで歩く黒ずくめの男。
あとの一人は荷物の様に掴まれている打ち止めだ。
まるで重たい物を入れたビニール袋のようだった。
足の裏が地面に接触してない。
垂らした紐のように、ただただ足の甲の方が力なく地面とぶつかっていた。
ここからでは、彼女の表情は見えない。
手足と同様、枝のように揺れる音はうな垂れていて、前髪と影で表情が隠れてしまっている。
相当苦しそうな姿勢であるにも拘わらず、身じろぎ一つもなかった。
片手で持つのが疲れたのか、男は隣にいるもう一人の仲間へ、乱暴に打ち止めを押し付けた。
それでも手足が頼りなくふらつくだけで、彼女は全く反応しない。
木原は笑って言った。
「あーあー、ありゃあもう聞こえてねえかもな。
一応本命は生け捕りってハナシになってんだがよ、アレは本当に生きてんのか?
こんなんで始末書なんて真っ平だぞ。」
ふざけンな、と一方通行は口の中で呟いた。
彼女はまだ生きている。
死んでいる筈がない。
もしも打ち止めが死んでいるとしたら、妹達の代理演算に頼っている一方通行の方にも影響が出るはずだ。
・・・と、思う。
試した事はない。
あのガキを殺して試そうと思った事がないから確証がない。
|打ち止め(ラストオーダー)を連れて、黒いワンボックスカーに向かって行く。
あの自動車に押し込まれたら、もう終わりだ。
あの少女は、血と闇にまみれた世界へ引きずり戻される羽目になる。
そして、そこから帰って来られる可能性はゼロだ。
一方通行はボロボロになった身体
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