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Myth5-Bアムルの守護騎士団〜Glauben OrdeN〜
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っ・・・!」

思いっきり頬を殴られた。口の中が血の味でいっぱいになる。以前までならここで戦意喪失だった。でも今は違うんだ。フュンフの腕を掴んで逃げられないようにして、

――煉拳――

「おごぉっ?」

炎を纏わせた拳打をお腹に打ち込んでやった。フュンフがゴホゴホ咽る。そのまま手を離さないで連続で打ち込もうかと思ったけど、フュンフがキッと睨んできて「こんの・・・調子に乗るなッ!」って風を拳に纏わせた風拳を打ってきた。同じ軌道でこっちも煉拳を打つ。炎と風の拳打がぶつかる。

(ダメだ! 炎が風に散らされてく・・・!)

あたしの拳に纏わせた炎が少しずつ削られてくのが判る。フュンフが「あらあら。やっぱりクルムね、ゼクス♪」って顔を近付けてきて笑って、頭突き。痛みで掴んでた手を離してしまって、しかも煉拳の力を弱めてしまった。
当然押し負けたあたしは風拳の直撃をお腹に食らって、遠く吹き飛ばされた。一瞬意識が飛びそうになったけど耐える。マイスターの事を思えば、痛くても泣きそうでも、何度だって立ち上がれる。

「あたしは、ごほっごほっ、負けられない・・・げほっ・・・」

「・・・・大人しく壊されればいいものを。そうすれば姉としての慈悲で苦しまずに――え?・・・ファルコったらなにを苦戦しているのだか・・・」

「ちょっ、どこへ・・・!?」

「仮のロードが苦戦しているみたいなの。融合するよう言ってきたわ」

フュンフはそれだけ言って、あたしに背を向けて飛んで行った。まずい。シグナムとヴィータがどれだけ強くても、誰かと融合したフュンフはすごく強いから負ける。

「だったら、あたしも融合騎としての務めを・・・・果たさなきゃ、だよね」

融合騎としてのあたし。ロードはマイスターだけって誓いがどうとうか言ってられない。すぐさまフュンフを追いかけて、シグナムかヴィータのどっちかと融合するために、あたしは空を翔ける。木々の合間を抜けて、シグナム達の姿を視認した。続けてファルコも視界に入る。
すでにフュンフと融合をしているみたいだ。髪の色がフュンフの翡翠色に変わってて、目は金色、瞳孔が獣のような縦になってる。何より違うのは二足歩行じゃなくて、獣のような姿勢を取ってるってこと。両手を地面について、上半身を折ってるけど顔は真っ直ぐシグナムに向けるように上げてある。

『シグナムっ。あたしと融合してっ!』

『無事だったかアギト。・・・しかし、オーディンの断りなく、勝手にお前と融合するのは――』

『いいからっ! そのままで勝てると思ってたら殺されちゃうって!』

ファルコ・アイブリンガー。顔は知らなくても名前だけは聴かされてた。派手な魔導は使わず、単純な身体・武器強化だけで高位騎士になったっていう。そこにフュンフの能
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