第一章
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なんてね」
止められない、彼にも言った。
「だからね」
「そうか、強いな」
「そう思ってくれるならいいわ」
ここでもこう返すだけだった、私は彼氏にもこうした言葉で返し強いと思われていた。けれど実際はどうなのか。
それは誰も知らない、部活のバレー部でもクラスでも家でも。私は本当は弱い。
部活の試合で負けると悲しい、そして。
彼氏の態度がつれなくても悲しくなる、誰か親しい人に悲しいことがあっても。
ずっと優しくしてくれたお祖父ちゃんが死んだ、私はお祖父ちゃんが住んでいた徳島に一家で入った、そしてお葬式に出た。
その中でだ、皆泣いた。普段は泣かないお父さんまで。
お父さんは泣きながらしみじみとして私達に言った。
「いい親父だった」
「本当にね」
お母さんも泣いていた、お祖父ちゃんにはずっと優しくしてもらっていたから。
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