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Myth5-Aアムルの守護騎士団〜Glauben OrdeN〜
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に関しては私の我が儘だから、ヴィータ以外には強制しないが。しかし、主、に関しては切に願うよ」

「ある――いえ、判りました、オーディン」

シグナムも敬語はやめないが、主を付けなくなった。今はこうだが、付き合いが長くなれば追々変わっていけるだろう。さて、さっきの話の続きに入ろうとしたところで、頬をプクッと膨らませてむくれているアギトが視界に入った。

「アギト? どうかしたか」

そう訊いてもむくれたままで、プイッと顔を逸らされた。試しにもう一度名を呼んでも無視だった。仕方なく、その膨らんだ小さな頬を人差し指で突く。すると「ぶふぅ」と口から息が漏れだす。何故か知らないがすっごい睨まれた。

「一体どうしたというんだ?」

戦場はもう近い。“彼女”の話も聞きたかったが、それは戦いながらにでもしよう。しかしアギトがこの状態での戦闘は避けたい。生死の関わる戦場では少しの油断が命取りだ。だから何故むくれているのかの原因を突き止め、解決しなければアギトどころか共に戦うみんなの命が危ない。

「なあアギト。話してくれ、私に何か非があったのなら謝る。だから教えてくれ」

「・・・マイスター、ずっと守護騎士たちと話してばっかで、あたしのこと忘れてるんじゃないかって」

アギトはどうやら仲間外れにされたと思っていたようだ。少しばかりアギトを放っていたのも確かだから強くは言えないが。

「馬鹿だなぁ。そんなわけがないだろ。アギトは大切な家族なのだから。だけどな、言わばアギトは私の家族としての先輩なんだから、もう少し辛抱してくれ」

「先輩・・・。先輩かぁ。うん、判ったよマイスターっ♪ あたし、先輩として恥ずかしくないようにするっ」

「ああ、頑張ってくれアギト先輩」

アギトは満足したようで笑みを浮かべる。それを見て、私とシグナムとシャマルは顔を見合わせて微苦笑。ヴィータは「この小せぇのが先輩? あたしらの方がずっと年上じゃねぇか」とアギトの小さな頭をグリグリ撫で回す。それに対してアギトは「や、やめろよ、歳なんか関係ないもんっ。マイスターの家族として上か下の方が重要なんだっ」と小さな体を活かしてヴィータの手から逃れて、舌をべーと出す。

「フフ、ヴィータちゃん、楽しそう」

「シグナム。さっきの話の続きだが、よければ戦闘中にでも頼む」

「判りました。そちらの方が都合が良いかもしれませんし」

見えてきたのは、森に囲まれた平原の中での数百人という騎士が入り乱れた戦場だった。ひとつは国境防衛のシュトゥラ側の騎士団。重そうな白い甲冑を着た騎士団だ。そしてもうひとつが、まるで迷彩服のような柄が描かれた軽甲冑を纏った騎士団だった。あれは森に入られたらアウトだな。柄もそうだが軽甲冑ゆえに動きが速く、得物も小回りの利く短め
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