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それらを背負ってでも私は誓いを胸に前へと進むだけだ。恨むなら恨め、憎むなら憎め。それらを背負う覚悟も決意も、すでに1万数千年も前からある。シャマルは綺麗な笑みで浮かべ、「はいっ」と頷いた。

「では主オーディン。闇の書の蒐集はどうなさいますか?」

「蒐集する事で、他に何かメリットはあるか?」

私が引き出したい情報は、管制人格である“彼女”の事だ。だが“夜天の書”を知らないというスタンスを取る私がそれを求めるのもおかしい。だから彼女たちが話してくれるのを待つしかない。
当然そんな私の思惑を知らないシグナムだったが、「主オーディンは、戦力が増えるのを良しとしていますか?」と訊いてきた。この流れは“彼女”に直結するものだと思い、「君たちを戦いの道具と思わせるようで悪いが、出来ればあった方が良い」と答える。

「いえ、そのような事は思いません。主オーディンの誓いが偽りでない事は解ります。それに、たとえ戦いの道具と見てもらっても我々は構いません。事実、今までそうでしたから」

「ええ。ですから、そう不安そうなお顔をしないでください」

「む? 不安そうな顔をしていたか? そういう君たちも不安そうな顔をしているよ。良い機会だから言っておこう。君たちを戦いの道具とは絶対に思わない。戦場では共に戦う戦友として、日常では共に過ごす家族として、私は接するつもりだ。
この考えもまた決して変わらない。だから、家族の1人としてお願いがある。まず第一に、名前の前に“主”を付けない。第二に、私に対して敬語は要らない。特にヴィータ、君だ。君の素直な口調で構わない。私に対して無理して敬語は使わないでいいんだ」

名指しされたヴィータが「え? あ、はい――じゃなくて、うん。これでいいの? オーディン」と早速直した。はぁ、それだよそれ。だから「ああ、それでいいよ。でも、他の大人には一応敬語な」と頷く。
そうだとも。私に対して気の遣った敬語なんて有り得ない。それがヴィータなら尚更。シャマルも困惑しながらだが、「では、えっと、オーディン・・・さん。ごめんなさい、さん付けだけは許して下さい」と、まぁ及第だな。しかし予想はしていたが・・・

「歴代の主に対してこの口調が長く、我は直せそうにありません、我が主オーディン」

「ザフィーラ、なんも変ってね〜。オーディンのお願いなんだぞ」

「ヴィータちゃんはすっかり出来あがっちゃったわね。ザフィーラはもうそれで固定かしら」

「主オーディン。さすがに敬語を改めさせるのは、主に失礼が過ぎるのでは?」

「いや、それでいいよ。自然が一番だ。君も、シャマル達と接するような気楽さで私と接してくれていいんだ。それが私の願いだしな。主を付けられると、どこか主従の壁を感じてしまうんだ、気にし過ぎかもしれないが。敬語
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