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ハイスクールD×D 新訳 更新停止
第3章
月光校庭のエクスカリバー
第68話 死人の兵士
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向けて叫んでいた。
「止まれッ!!お前らッ!!」
叫ぶのと木場達の前方の地面にマジックキラーを投げ付けていたのはほぼ同時であった。
木場達は突然、目の前の地面にナイフが突き刺さり、その事に驚き、足を止める。
「なんの真似だ!」
ゼノヴィアが非難混じりの声で怒鳴るが、俺はそれを無視し、木場達の前に出てマジックキラーを拾う。
そして、刃先を前方に突き出し、上へと一閃すると、何かを斬り裂いた感触が手に伝わってきた。
「……糸?…」
イリナがボソッと呟く。
俺が斬ったのは糸の様な物だった。
「……ピアノ線だ…」
しかも…。
「……ちょうど、首の位置だな…」
二本の木に両端を縛り付け、首の位置の高さに張られていた。
木場達があの勢いのまま走って進んでいたら、喉や頸動脈ぐらいなら切られていただろう。
その事実に木場達は冷や汗を流していた。
「……よく、見えたものだな…」
……全くだ…。
我ながらよく、この暗さの中で、ただでさえ見え難いピアノ線を見付けられたものだ…。
しかし…。
「……バレても別に問題無しか…」
『?』
俺の言葉に皆、怪訝そうな顔をする。
「……君も気付いたか…」
「……ああ…」
どうやら、アルミヤさんだけは気付いている様だ。
『ッ!?』
他の皆もようやく気付いた様だ。
……俺達が囲まれている事に…。
周りを見渡すと、神父服を着込んだ男達が、ざっと二十人くらいいた。
さっきのピアノ線は、そのまま突っ込ませて首を切っても良し、バレても足止めと言う二重の罠(トラップ)だった訳だ。
俺は雷刃(ライトニングスラッシュ)を抜き、木場は魔剣を作り出し、ローブを脱ぎ捨てた教会の五人、ゼノヴィアとイリナはエクスカリバー、ライニーとユウナはそれぞれ十字架を取り出し、十字架をライニーは二丁拳銃、ユウナは一振りの鍔無しの刀に変え、そして、アルミヤさんは両手に二本の聖剣を作り出す。
それぞれの得物を手に取った俺達は神父達に対して構える。
「……まさか、これ程の数の輩が堕天使に協力しているとはな…」
「……理由が何だろうと、堕天使に協力しているのなら、断罪するだけだ…」
ゼノヴィアとライニーは遠慮無しと言った様子だった。
神父達が一斉に襲い掛かってきた。
俺は拳銃の弾を避けながら、拳銃を持つ神父に近付き、一閃、肩口から横腹までの斬り傷から鮮血を吹き出しながら神父は倒れる。
(……何だ?……この違和感は?…)
他の皆が神父達を倒していく中、俺は妙な感覚を味わっていた。
人を斬っているはずなのに、まるで、無機物を斬っている様な感覚…。
バンッ!
「ッ!?」
突然の背中に感じた衝撃に俺は驚愕する。
俺は今、背中を撃たれたのだ…。
今さっき、心臓を確実に斬り裂かれ、絶命したはずの神父によって…。

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