ターン8 ノース校と選ばれし戦士(前)
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の効果だドン。これによってブラキオンの攻撃力はスピノスをはるかに上回る5575となったザウルス!」
「あ、そうか。あれを狙っていたから剣山は、わざと自分のライフを減らすような攻撃を………」
そこまで言いかけて、ふと気づいた。いや、違う。別にあんな自爆特攻を行わなくても、残りライフ1900の和田を返り討ちにする程度の火力は出せていた。じゃあ、一体剣山は何を警戒したんだろう?夢想にも意見を聞こうとした時、和田の手札にずっと温存されていた手札、その最後の一枚が姿を見せた。
「ふ、まだだ!手札から速攻魔法発動、非常食!このカードは発動時に自分の魔法か罠を任意の枚数墓地に送ることで、ライフを1枚につき1000回復する。俺が墓地に送るのはブラック・ガーデン以外の3枚、つまり洗脳解除、大進化薬、暴走闘君だ!」
和田 LP1900→4900
なるほど、非常食か。確かに、戦闘スタイルの都合上あのデッキなら場にカードがたまりやすいから相性はいいだろう。最悪ブラック・ガーデンさえあれば相手の攻めはだいぶ遅れるだろうから、その間に墓地送りにした分をゆっくり補充すればいいだけだし。ブラキオンとスピノスの攻撃力の差は2675、勝負はまだまだ終わりそうにない。
「いいや、それじゃあやっぱり俺の勝ちだドン」
「何?お前のカードは使い切っている、俺のライフはなくならんぞ」
そう、確かにもう剣山にはこれ以上の伏せカードも、墓地から効果を発動するカードもない。なのに、これで終わりにするとはいかに。
「あれだけの永続カードを使う時点で、非常食が1枚ぐらい入っている可能性は十分読めていたドン。ブラック・ガーデンも墓地に送っていたらまだわからなかったけど、それはないだろうと思っていたザウルス」
「何が言いたい!」
「竜脚獣ブラキオン、もう一つの効果を発動!このモンスターが相手から攻撃を受けて相手が戦闘ダメージを受ける場合、その数値は倍になるドン!」
「攻撃力の差は2675………倍にして、5350のダメージだと!?うおおおおおっ!」
和田 LP1900→0
「ふー、危なかったドン……」
「すごいじゃない、剣山!よくやった!」
やれやれと首を振ってこちらに戻ってくる剣山に手を振ると、向こうもニカッと笑って手を振り返してきた。その背中に、和田が最後に声をかける。
「ティラノ剣山、その名前は覚えたぞ。ふん、次やるときは俺が勝つさ」
「和田、俺もお前のことは覚えておくドン。実際、お前は大したデュエリストだったザウルス」
その会話を最後に、座り込んでいた和田も立ち上がってノース校陣地へと帰っていく。まずは一勝、だけど勝負はまだまだこれからだ。
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