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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第15話 暗雲
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来てくれた!! ごめん雄一!!


「ち、違うんです佐々木さん!! 雄一が……雄一がやれっていたんです!!」
「はあ!? 勇人!? おまっ――」



ドゴォ!!



「ぐほっ……」

佐々木の拳が雄一の腹にめり込む。

「勇……人……お前……志乃……俺の遺言を聞いてくれ……勇人は……俺の提案に即答した。「間宮は僕の物だ!!」ってな……」


「ゆ、雄一!? なんてことを!?」


雄一がとんでもない事を言いだした。



「天原……勇人……」

佐々木が再び近づいてくる。

「ゆ、勇人君、私の事……」
「あ、天原さん……」
「勇人……」
「やっぱり、自首するべきですわ」

「ち、違うんだ皆!! そんな事があろうはずがございません!!」

「許さない……」

「ヒイィ!! 逃げるんだぁ……勝てるわけがない……!」

勇人が背を向け走り出す。しかし……


ガシッ!!


再び、頭を掴まれ持ち上げられる。そして――



ベキッベキッ!!



「ぎゃあああああ!!!!」


「勇人……共に逝こう……地獄のその先へ……」






「世の中って理不尽だよね……雄一……」
「そうだな……だが……強く生きるんだ……」

僕と雄一が世間について語っているのに対し、僕らの前を歩いている間宮たちは旅行について話している。

「旅行どこ行く?」
「あかりちゃんが決めていいですよ」
「そうだな、あたしも特に行きたい所はないし……」
「私はお姉さまと一緒ならどこでもいいですわ!」
「う〜ん。ののかはどっか行きたいとこある?」
「ううん。私はどこでもいいよ」
「じゃあ、勇人君たちは?」
「俺は沖縄にいきたい!! 青い海、白い雲、そして……水着――「待つんだ!! 雄一!!」
なんだよ勇人」


「雄一、今ここでそれを言ったらアウトだ……」
「そ、そうか……」

女子たちに聞こえないように小声で話す。


「二人ともどうしたの?」
「い、いや、なんでもないよ。僕は北海道がいいかな」

「う〜ん夏だから沖縄がいいかな……みんなはどう?」
「私は構いません。この二人が邪魔ですが……」

最後に佐々木がこっちを睨みながら小声で言った。


「そうだな、夏はやっぱり海だよな」
「お姉さま!! 私がお姉さまにサンオイルを塗りますわ!!」


「…………」

マジか……。僕は泳げないんだけど……。

「と、とりあえず、必要な物を買わないと……(震え声)」
「そうだね!! それじゃあショッピングモールへ出発進行!!」






目の前の水着コーナーで間宮たちがどれを買う
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