暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
26弾 ミッションコンプリート
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要だろうな』

「……今の学園島の風速は分かるか?」

『風速?レキ、学園島の風速は?』

『私の体感では、5分前に南南東の風・風速41・02m』

 狙撃科(スナイプ)の麒麟児、レキの声が少し遠くから聞こえる。

「じゃあ武藤。風速41mに向かって着陸すると、滑走距離は何mになる?」

『……まぁ……2050ってとこだ』

「――――ギリギリだな」

 低く呟いた俺に、アリアも、武藤も、一瞬黙る。

「ど、どこに降りるつもりなのよ。東京にそんな直線道路、無いわ」

「武偵校の人工浮島(メガフロート)の形を覚えてるか。南北2キロ、東西500メートルの長方形だ。対角線を使えば2061mまで取れる」

『お、おい……まさかミズキ、おまえ……』

「安心しろ武藤。『学園島』に突っ込むわけじゃない」

『……?』

「『空き地島』の方だ。レインボーブリッジを挟んで北側に、同じ人口浮島があるだろ」

『……お、おい。おまえってやつは……何でそんなとんでもねえ事を思い付いちまうんだ?天才か』

「ああ俺は天才だよ。おまえもよく知ってるだろ?」

『……そうだったな』

 それきり武藤が黙り込んでしまったので、俺はアリアに視線を合わせる。

「なあアリア。おまえ、俺を信用してるか?」

 これは、俺が想像している着陸方法に必要不可欠な質問だ。アリアが俺を信用してなかったら、この作戦は一発でアウトだ。

「な、何よ急に?」

 アリアは少し顔を赤くしてそっぽを向く。

「答えてくれ。大事な質問なんだ」

「信用は……してないわ」

 アリアのその言葉に、一瞬俺の脳が凍りつきそうになる。が、

「でも、信頼してるわ。ミズキ」

 アリアの言葉の続きで、ぎりぎり復活する。

「そうか。わかった、ありがとう」

 それでアリアとの会話も終了する。

 すぐ眼下に、渋谷、そして原宿の夜景が流れていく。

 街のみんなはビックリしてるんだろうな。

『……人口浮島に……か。理論的には、可能だろうけどよ』

 今まで黙っていた武藤が、溜息交じりに返してきた。

 固かったアリアの表情が、ぱ、と明るくなる。

『でもなミズキ。あそこはホンっト―にただの浮島だ。誘導装置どころか誘導灯すら無い。どんな飛行機であれ、最低の最悪でも誘導灯が無いと夜間着陸はできないんだ。しかも視界は豪雨で最悪、おまけに暴風と来てる。そこに手動着陸なんて――――』

「無茶なのは分かってる。だがな、武藤。今はそれ以外に手段が無いんだ。それに、一応策はある。だから安心しろ」

『策ってのは……絶対成功するんだろうな』

「絶対は無理だが……99.9%の確率で成功させて
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