暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
26弾 ミッションコンプリート
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の声はまるで計器盤が見えているようだった。
「数字は――――今、540になった。どうも少しずつ減ってるみたいだ。今、535」
俺の応答に、武藤が舌打ちするのが聞こえてきた。
『くそったれ……盛大に漏れてるぞ』
「燃料漏れ……!?と、止める方法を教えなさいよ!」
アリアがヒステリックな声を上げると、しばらくの間の後――――
『方法は無い。分かりやすく言うと、B737-350の機体側のエンジンは燃料系の門も兼ねてるんだ。そこを壊されると、どこを閉じても漏出を止められない』
「あ、あとどのぐらいもつの」
『残量はともかく、漏出のペースが早い。言いたかないが……15分ってところだ』
「さすがは先端技術の結晶(笑)だな」
俺は一言、羽田コントロールに愚痴ってやる。
『ミズキ、さっき
通信科
(
コネクト
)
に聞いたがその飛行機はそもそも相模湾上空をうろうろ飛んでたらしい。今は浦賀水道上空だ――――羽田に引き返せ。距離的に、そこしかない』
「元からそのつもりよ」
アリアが武藤に返す。
『……ANA600便、操縦はどうしているのだ。自動操縦は決して切らないようにしろ』
「自動操縦なんて、とっくに破壊されてるわ。今はあたしが操縦してる」
アリアが目で示した計器盤の一部ではAutopilotと書かれたランプが赤く点滅し、点滅と同じテンポで警告音が鳴り続けていた。
詳しくはよくわからないが、まあ、そういうことなのだろう。
「――――というわけで、着陸の方法を教えてもらいたいんだが」
羽田に尋ねると、
『……すぐに素人が出来るようになるものでもないのだが……現在、近接する航空機との緊急通信を準備している。同型機のキャリアが長い機長を探して――――』
「時間が無い。近接するすべての航空機との通信を同時に開いてくれ。できるな?」
『い、いや、それは可能だが……どうするつもりだ』
「彼らに手分けさせて、着陸の方法を一度に言わせるんだ。武藤も手伝え」
『一度にってミズキおまえ、聖徳太子じゃないんだから……!』
「おい武藤。俺を誰だと思ってるんだ?それくらい余裕だ。すぐにやってくれ。なんせもう、時間が無くてな」
アリアが、驚きと信頼の眼差しでこっちを見ているのが分かる。くすぐったい。
何か言い出しそうだったのでもう一度指を唇に当てて黙らせ、俺は正面に視線を戻した。
雲の下――――暴風雨の中で吹き荒れる眼前には、黒い海の向こうに東京圏の光が見えていた。
俺たちはあそこに向かって、突っ込むような形で飛んでいるのだ。
一気に喋る11人の言葉をなんとか聞き取り、着陸の方法は理解した。
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