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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
26弾 ミッションコンプリート
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ら600便だ。当機は先程ハイジャックされたが、今はコントロールを取り戻している。機長と副操縦士が負傷した。現在は武偵2名が操縦している。俺は薬師丸ミズキ。もう1名は、神崎・H・アリア」

 俺の声に、羽田は安堵と驚きを混ぜたような声を上げた。

 よし。とりあえず関税等との通信は繋がった。

 俺は続けざまに、さっき機長の腰から拝借しておいた衛星電話を左手で操作する。形態とよく似たこの電話機は船舶通信などにも使われるもので、人口衛星を介しておよそ地上のどこからでも、どんな速度で飛んでいようと電話回線に接続できるのだ。

 コールを始めると同時に、電話機も、Bluetoothでスピーカーに繋いでおく。

「誰に電話してるの?」

 聞いてきたアリアに、新たに繋がった音声がスピーカーから答えてきた。

『もしもし?』

「俺だ武藤。変な番号からで悪い」

『ミ、ミズキか!?今どこにいる!?おまえの彼女が大変だぞ!』

「彼女じゃないが、アリアなら隣にいるぞ」

 武藤(むとう)剛気(ごうき)車輌科(ロジ)の優等生。

 こいつとの腐れ縁が役に立つときが来たようだ。

『ちょ……おまえ!何やってんだよ!……!』

「か……かの、かの!?」

 自分が彼女扱いされてることに、アリアはぼばぼぼぼ、とまた赤面癖を発揮していた。

 何か不平を言いだしそうな予感がしたので――――つ、とアリアの唇に人差し指を当てて止める。

「……っ!」

 アリアはますます真っ赤になっていくが、とりあえず硬直して黙ってくれた。後でボコられる気がするが、後のことは後で考えよう。

「――――武藤。ハイジャックのこと、よく知ってたな。報道されてるのか?」

『とっくに大ニュースだぜ。客の誰かが機内電話で通報でもしたんだろ。乗客名簿はすぐに通信科(コネクト)が周知してな。アリアの名前があったってんで、今みんなで教室に集まってたとこだよ』

 ――――俺は、羽田コントロールと武藤に状況を手短に伝えた。機がハイジャックされ、犯人が逃亡したこと。ミサイルをぶち込まれ、エンジンが2基破壊されたこと。

『……ANA600便、まずは安心しろ。そのB737-350は最新技術の結晶だ。残りのエンジンが2基でも問題なく飛べるし、どんな悪天候でもその長所は変わらない』

 羽田コントロールの声に、アリアが少しホッとしような表情になる。

『それよりミズキ。破壊されたのは内側の2基だって言ったな。燃料系の数字を教えろ。EICAS――――中央から少し上についてる四角い画面で、2行4列に並んだ丸いメーターの下に、Fuelと書かれた3つのメモリがある。その真ん中、Totalってやつの数値だ』

 さすが乗り物オタ。武藤
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