第11話:おはなみに行こう!−2
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リオとヴィヴィオはかたずをのんで見守っていた。
しばらくして、ふいにコロナは顔をあげた。
その表情は晴れやかなようにも見え、口元にはわずかに笑みが浮かんでいた。
「思い出した! この前に次元港であったハイジャック事件の中継で見たんだ」
「ええっ!? じゃあ、ヴィヴィオのお父さんはテロリストさん!?」
「違うよっ!!」
目を丸くしたリオが立ち上がりながら大きな声をあげると、
すかさずヴィヴィオが同じく大きな声でそれを否定する。
きっかけになったコロナは2人の様子を苦笑して見ていた。
「リオ! 私が言ってるのはヴィヴィオのお父さんが
管理局の魔導師じゃないかってこと」
コロナはそこで言葉を切ると、ヴィヴィオの方に向き直る。
「違う?」
「うん、そうだよ。 詳しいことはよくわかんないけど」
ヴィヴィオがコロナの問いに対して頷いて答えたちょうどそのとき、
庭でタバコを一本吸い終わったゲオルグがガラス戸を開けて
リビングへと入ってきた。
「な、なんだよ・・・」
リビングへと足を踏み入れた瞬間、真剣な表情をした3人の少女に一斉に見つめられ
ゲオルグはたじろいで一歩後ずさる。
「あの、いいですか?」
引き攣った顔をしているゲオルグにコロナが歩み寄り上目づかいで見上げると、
ゲオルグは優しげな微笑みを浮かべてコロナを見下ろす。
「なにかな?」
「えと・・・おじさんは、特殊陸戦部隊の隊長さんですか?」
「ん? そうだけど、それがどうかしたのかい?」
優しげな口調、そして口元に浮かんだ笑みは些かも損なわれることがないが
コロナが自分の所属部隊や地位を言い当てたことでゲオルグはその両目を
わずかにスッと細めてコロナの顔を見据える。
「おじさんがヴィヴィオと格闘技のトレーニングをしてて、
しかもかなり強いって聞いたんですけど、それでこの前の
ハイジャック事件の中継でおじさんの顔が映ってるのを思い出したんです。
で、私もインターミドルに出場したいと思ってるので、
お相手してもらえたらいいなって・・・」
「なるほど・・・」
そう言って小さく頷くとゲオルグはヴィヴィオに目を向ける。
その表情はコロナを見据えていたときのような険呑さがすっかり抜け落ちていた。
「2人に異世界旅行の話はしたのかい?」
「ううん、まだ」
「なになに? 異世界旅行って?」
ふるふると首を横に振ったヴィヴィオがコロナとリオの方に顔を向けると、
リオが身を乗り出してヴィヴィオに問いかける。
「コロナは去年も行ったと思うんだけど、今年もママやフェイトママたちと一緒に
無人世界へのお出かけに今年も行くんだよ」
「でも、去
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