アカデミー編
はじめまして
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であったという事に、自らの思考を停止させるネジに、カトナは提案する。
「いた、いから、はなし、て?」
怯えた様子で身をすくめ、押し倒されているうえに胸に触れられている女子。
そして、その女子の胸を、触っている。
胸を、触っている。
胸を、触って、いる。
理解した事実に、ばっと、慌てて体を起こして、腕をのける。
「…す、まん」
「別に、へいっ、き」
そう答えたカトナはぺたっと自分の胸に手を当てた。
「ちょっと、いたかった、だけ」
へにゃっと眉を下げた彼女が困ったように笑う。
今度こそ、ネジは固まった。
「あれ。ひっ、日向。どうしたの? あれ?」
カトナがネジの前で両手を振るが、ネジは全く反応しない。
これがネジとカトナの、ある意味、最悪の邂逅であった。
・・
「って、ことがあって」
「ほう…」
「どうなったんだってば」
びしりと、二人の額に浮かんだ青筋に気が付かないまま、カトナは首をかしげた。
「なんで、固まったんだろ」
「そうだな。お前が女だってことに驚いたんじゃねぇのか?」
サスケが十枚の手裏剣を投げる。
練習用として作られた、人体を模したサンドバックは、見事、人間でいうところの心臓に十枚すべて命中した。
しかし、カトナは珍しいと目をしばたたかせる。
いつもなら、違う急所にも同時で当てられるようにしているのだが、今日はそういう気分ではなかったのだろうか。
あるいはネジの話を聞いたからだろうか。
サスケの目に浮かぶ怒りをとらえたカトナは目を細める。
赤い瞳に穏やかな光が浮かんだ瞬間、ぱちりと火花がはじけたような音がした。
いま気にするのはサスケじゃないと囁く声がして、それもそうだと思いなおしたカトナはナルトに目をやる。
「カトナ、胸、大丈夫だったってば?」
「大丈夫、だよ。隠して、くれる、って」
「そういうことじゃないんだってばよー」
いつものような笑顔でそう言いながらも、なるとは目の前のサンドバックを蹴り飛ばした。
壊れないようにと頑丈に作られたはずのそのサンドバックは、一瞬、体から溢れた赤いチャクラに触れ、発火する。
ナルトガチャクラを使うのなんてあの事件以来だと考えてから、カトナはふわりと笑みを浮かべた。
「それに、友達になって、くれた。よ」
その言葉に、二人は一瞬のうちに目くばせをしあう。
(サスケ、葬るってば)
(言われなくとも)
うずまきナルト、十一歳。立派にシスコンの道を目指し始め、同じく十一歳のうちはサスケは、初恋を更にこじらせようとしていた。
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