九校戦編
Episode27:ルアー
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七月中旬。そろそろ夏本番となり暑さが増してきたこの頃。冷房が効いて快適な教室の中、目立つ青髪を元気なさげに垂れさせて、九十九隼人は長い溜息をついた。
「あ〜……九校戦、やだなぁ…」
一日の授業が終了した放課後、精神的疲労から隼人は机に突っ伏した。
理由は簡単。
夏に行われる、全国に九つある魔法科高校同士の親善試合---通称、『九校戦』の選手に抜擢されたからだ。
普通ならば喜ぶ所なのだが、如何せん隼人の魔法は常人のそれとは少々異質。なるべく人前で魔法を見せたくはないのだが、隼人の魔法実技の成績上、選手に選ばれることは事実上決まっていたようなものだった。
今回の定期試験。魔法科高校では各学年毎に上位20名までを発表するのだが、勿論のこと、その中に隼人の名前は載っていた。
理論・実技を合算した総合点による上位五名。
一位、A組、司波深雪
二位、B組、九十九隼人
三位、A組、光井ほのか
四位、僅差でA組、北山雫
五位、B組、十三束鋼
実技のみでは、ほのかと雫が逆で、鋼の代わりに森崎が入るくらいの変化で、隼人は変わらず二位。
その森崎が九校戦メンバーに抜擢されるのだから、隼人が選ばれない道理はない。
そう、頭で理解はしているのだが中々感情をコントロールできていない。めんどくさい、と今日何度目か分からぬほど言った言葉をもう一度言う。
ちなみに、ここまでのランキングでは全てが一科生が独占していたのだが、魔法実技なしの、理論のみの点数は大波乱だった。
一位、E組、司波達也
二位、A組、司波深雪
三位、E組、吉田幹比古
四位、B組、九十九隼人
五位、A組、光井ほのか
なんと、トップ3の内の二つに二科の生徒が居座っているのだ。普通、魔法は実技ができなければ理論も十分に理解することはできない。にも関わらず、魔法実技で劣るはずの二科生がトップ3に入るのは異例だった。
まあ、隼人はその二人と知り合いだったからあまり驚かなかったが。
「いいじゃん、僕は選ばれなかったんだよ?」
「鋼はほぼ対人戦しかできなくて競技種目に合わなかったからでしょ。唯一戦闘のあるモノリス・コードだって直接的な打撃や攻撃は禁止されてるんだからさ」
ちなみに鋼は当日の会場警備を担当している。隼人にしては変わって欲しいくらいだった。
「ああ、そういえば。そのモノリス・コードなんだけどさ、今年からルールが変わるらしいんだよね」
日本で九校戦が発足して以来、数年は競技種目やルールが細かく変わっていたものの、最近はずっと同じだったのだが、それが今になってルール変更。それに、隼人は少しながら興味を持った。
「参加人数が一人増えるらしいんだよ」
「へぇー…」
モノリス・コード。それは選手
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