暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外12話『約束の時』
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に。

 クロコダイルへの視線を外さずに、ハントがふと心の中で呟いた。
 やはり王下七武海だけあってハントがふれてきた中で、ジンベエや白ヒゲ一家を除けば明らかにクロコダイルが最強といえた。懸賞金8100万ベリーという、ハントからみて決して高いとはいえない懸賞金の時に王下七武海に選ばれたというだけあってそれだけの力を、クロコダイルは持っている。

 戦闘の駆け引きのうまさ。
 ハントよりも圧倒的に豊富であろう経験値のせいか、見聞色の覇気を使えない人間とは思えないほどに危機察知能力が高い。
 身体能力自体はハントにすれば大したことはないのだが、駆け引きと経験値で劣っているハントでは例え見聞色による先読みを発動していてもなかなかに決定打を加えることが出来ない。
 しかも、砂漠という環境。ハントにとって足場が悪く、動きの速度が少々落ちてしまっていることもそれらの原因だろう。

 これらに加えて、なによりも厄介なのが研ぎ澄まされた自然系の悪魔の実の能力だった。
 エースとよく決闘していたハントだからこそわかっていたことだが、自然系の悪魔の実の能力者はいちいち技の威力がけた違いに大きい。事実、砂漠を割ったり、穴をうがったりという戦闘痕はすべてクロコダイルの技で出来たものだ。

 もしもそれらに直撃したらハントの体も一撃で戦闘できる状態でなくなる可能性が高い。
 一瞬の油断も許さないクロコダイルの攻撃力。致命的な一撃だけは決して受けないクロコダイルの危機管理力。自然系であるという利点を最大限に生かした戦闘の駆け引き。
 戦闘自体は圧倒的な身体能力差と覇気の差でハントが優勢に進めているが一撃でその形勢もひっくり返る。それを感じているハントだからこそ、慎重にクロコダイルとの戦闘を進めていた。

砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)!」

 クロコダイルからの一撃がハントへと飛ぶ。砂漠を割るほどの威力を秘めたそれを、ハントは見聞色で察知していたため既に行動を開始していた。甚平の端が斬り飛ばされるほどにぎりぎりでそれの側を駆け抜けてクロコダイルへと接近を。
 すさまじい速度で距離をつぶすハントだったが、それもクロコダイルの計算の内。

「魚人空手陸式5千枚瓦せいけ――」 
「――三日月形砂丘(バルハン)

 クロコダイルのカウンター。
 顔面めがけて放たれた拳に対して腹部めがけて放たれたクロコダイルの技。いや、これは正確にはカウンターと呼べる代物ではない。

 ほぼ同時に放たれた両者の技だが、身体能力自体はハントが勝っており、当然の腕の振りの速さもハントの方が早い。つまりどう考えても先に攻撃に当たってしまうのはクロコダイルで、それは要するにカウンターは成立しないということだ。
 ならばクロコダイルのミスか? それももち
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