暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜狩人と黒の剣士〜
訓練と罠
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そこに一陣の風が吹いた。
「な……ど……!?」
驚愕の叫びと共に目を開けた直後、クラディールは剣ごと空高く跳ね飛ばされた。
「間に……合った……」
震えるその声は俺の耳に届いた。崩れる様にしゃがんだミザールは俺を見た。
「生きてるよね……ライト……」
「間一髪……な」
俺はキリトの方を見ると、どうやらアスナも来ている様だ。俺はハイポーションを飲まされると、ミザールはスッと立ち上がった。
「大事な人を傷付けた罪は重い……覚悟して」
刹那、今までに無い剣速でクラディールに細剣を放つ。その顔は、怒りに身を任せている様な顔だった。恐らく、この剣速を見切れるのはレッドの俺だけだろう。
そして、クラディールのHPが赤い危険域に突入した所で、奴は剣を投げだすと喚いた。
「わ、解った!!解ったよ!!俺が悪かった!!」
そのまま地面に這いつくばる。
「も、もうギルドは辞める!あんたらの前にも現れねぇよ!!だからーーーーー」
「それが何?私の知った事では無い」
細剣を構え直し、一気に突き立てようとした。だが、
「ひぃぃぃっ!死に死にたくねぇーーーーーーーーっ!!」
その言葉で剣の切っ先が止まった。恐らく、彼女はプレイヤーを殺した事は無い。だが、この世界ではそんな物は致命的な弱点だ。
叫ぼうとしたが遅く、すでにクラディールによって細剣を飛ばされていた。
「アアア甘ぇーーーーーーーーんだよ第二副団長様ァァァァ!!」
「甘いのはテメェだ、クラディール」
ドスッ、と言う音がクラディールから聞こえた。狩人体術複合スキル<無月>。俺は一瞬で二人の間に割り込み、剣を折り、クラディールの鎧の隙間にピンと伸ばした手を突き刺し止めを刺す。
「この……人殺し野郎が……」
「生憎、それは言われ慣れてる。嫌味にしか聞こえんよ」
そしてクラディールはポリゴンとなり、四散した。
「ごめん……なさい……私の……せいで………」
悲痛な表情でミザールが言った。普段は覗かせない、女の子らしさを出して。
「私が………ちゃんとしていれば………そのせいで……ライトがぁ……」
俺は近付き、ミザールの頭をポンッと優しく叩いた。
「いい加減泣き止め。ミザールのお陰で俺は生きてるんだ。別にミザールのせいじゃ無いよ。だから、自分を責めないで」
俺はミザールを抱き締めて、二、三度頭を撫でると、クラディールからドロップした転移結晶を手に取り、ミザールと共にその場から離れた。
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