胃に優しくないランチタイム 後編
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外五皿くらい軽くいけるかもしれない。でも、どうせなら他のメニューも食いたかったな…
「こんなことなら他のメニュー注文しとけよ」
「う〜む、確かに……」
いや、美味いよ?でもこうまで美味いと他のメニューがどんな味か気になるじゃん?
「だったら私が協力しちゃおうかしら?」
「ん?」
「げ…」
―――『生姜焼き定食』を持った会長が現れた!!
何を考えているのか分からない胡散臭い笑みを浮かべながら楯無がこっちに来た。ていうか、まだ居たのかよ。他の客と一緒で、もう帰ったもんだと思ってた…
「これ分けてあげるから、ちょっとそのフライを分けて欲しいな〜って…」
「…ふむ、どうする?」
「いいんじゃないか?」
何を考えてるのか知らないが、この揚げ物マウンテンを減らしてくれるのなら、大歓迎である。ついでにその生姜焼きも結構美味そうだ、今度から外食するときはここにしよう…
「じゃ、どうぞ」
「ふふふ、ありがと♪」
またまた扇子を広げる楯無。今度は『交渉成立』の文字が書いてあったが、いったいどんな仕組みになってんだろ?……何気なく同じの欲しくなってきた…
「ところで二人とも…」
「む?」
「んあ?」
「どこかで会ったかしら?」
―――えぇ、会いましたとも…夜の学校で、ふざけた格好で……
「私の場合はどうせ顔が織斑千冬にそっくりだからだろう…?」
「あ、そうか。今やっとスッキリしたわ。ついでに雰囲気もそっくりね…」
今更だが、我ながら絶妙なコーディネイトだな。さっきの店員、『五反田蘭』は千冬と顔見知りであるにも関わらず同じ誤魔化し方で納得したし、ほどよく似せて開き直れば大抵の奴は騙せるもんだ。さて問題は俺の方だが、どうしようか…
「う〜ん、君の方は何でだろう…お姉さん、初めて会った気がしないんだけど……?」
「さぁ、そう言われましても…」
だから嫌だったんだこの女。暗部のエリートなだけあって、普通なら気にしないことも無意識のうちに気にするようになってるんだもの。
―――と、そこにマドカが助け舟を出してくれた…
「それはきっとアレだ、コイツの容姿に特徴が無さ過ぎて他の奴と区別がつかないからだ」
「なるほど、確かにその通りね!!」
「喧嘩売ってんのかテメェら!?」
フォローは嬉しいが、殴りたくなるからそのドヤ顔をやめやがれ。でも、確かに俺の特徴って髪の色が深緑色ってことぐらいしか無いんだよな…
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