胃に優しくないランチタイム 後編
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安らかに眠れ、オラン…見知らぬ誰かさん……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「遅かったな。それにどうした、随分とゲッソリして…?」
「……ちょっと色々なモノが出ちゃったみたいで…」
「は?」
トイレで出すモノ以外に電話と幽霊まで出したみたいです。ていうか、戻ってみたら結構時間掛けちまったようで店の客も大分減っていた。マドカの奴は既に運ばれてきた料理に手を付けている…。
「それはさておき、この状況は何だ……?」
「ただの食事風景じゃないか」
えぇ、そうですね。確かに目の前のお前は普通に飯食ってるだけですね。けど、ちょっと待てやコラ。
「頼んだ覚えの無い料理があるんだが?」
「何を言っている。確かに注文しただろう?『フライ盛り合わせ定食』を…」
「いや、頼んだけどさ…」
こいつの言うとおり目の前には出来立てアツアツのフライ定食が置かれていた。マドカは店のおススメである野菜炒めを頬張っている。けどな……
「“五皿”も頼んだ記憶は無えよ…!!」
この野郎…人がトイレ行ってる間に追加注文しやがったな?御蔭様でテーブルにはフライの乗った皿ですっかり埋め尽くされている……美味そうだけど、見てるだけで胃がもたれそうだ…
「ついでに言っておくが、今日の私は財布持ってないぞ」
「なん…だと…?」
「お前の所に行こうと決めたと同時に置いてきゲフンゲフン…忘れてきた」
「ぶっ飛ばすぞこの野郎!!」
初めから俺に奢らせる気満々だったな!?しかも出来るだけ問題ごとは起こそうとしない俺の性格上、財布の中身が足りる限りキッチリ払うというこを分かっててやってやがる!!
楯無もいることだし、流石にマドカも食い逃げしなければいけない程食ったりはしないだろう。俺の財布の中身をギリギリまで減らすだろうが…
「畜生め、いつか覚えてろよ?」
「だが残念、もう忘れた」
「……」
本当に碌でも無い奴だな。何で俺はこんな奴といつも一緒に居るんだろうな…?
「まぁ…とにかく、いただきますかね……」
「そうしろ。そして、本当に美味いぞここの料理」
「マジで?それでは早速…」
今なお湯気が出てる揚げたてホヤホヤのエビフライを取り、一口かじってみる。柔らかすぎず、固すぎない丁度いい感じの衣がサクッと軽快な音をたてた。そして…
「本当に美味い」
「だろう?」
この味ならば、隠れた名店と呼ばれることに頷けるというもの。手に持った箸のペースが自然と上がっていく。案
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