志乃「兄貴はガラスのハートでチキン野郎だから」
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り前だろ。これ以上目立ちたくないし」
「……」
俺が本音を伝えると、妹は大きなため息を吐き捨てる。そんな見え見えな溜息吐かれたらさらにイラつくんだけど。
「自分で考えたら」
最終的に放っておかれた。その後はスタスタと自分の部屋の方に歩き始め、俺の言い分を聞く余地すら与えてくれなかった。
自分で考えたら、だって?それが出来ないからお前に聴こうと思ったのに。なんて冷たい妹……。
そこで時計を見る。すでに十二時を回っていた。俺は仕方なく電気を消し、布団の中に潜り込んだ。
その後、悶々とした感情が頭を漂い、寝れずにいたのだが。
*****
「……き。……兄貴」
ソプラノの小さな声と主に下半身辺りに感じる痛みに、俺は目を覚ました。
そして、第一に俺の目に飛び込んできたのは、妹の顔だった。
「うおっ!」
勢いよく布団から出て妹から距離を取る。こいつまさか、また俺を殺しに……?
すると、いまだにパジャマ姿の妹は時計を手に取り、俺に見せ付けてきた。
現時刻、午前十一時。睡眠時間、約十一時間。
よく寝たなー、俺。
だが、正直まだ寝れたので、無理矢理起こされて不満はあった。土曜日なんだからもっと寝かせてほしい。
「何の用だ?俺、まだ寝たいんだけど」
「これからカラオケに行く」
「は?」
こいつ、何言ってんの?
気付いたら、妹は俺の前にまで接近していて、俺のパジャマに手を伸ばして……って、何してんだこの変態め!
「兄貴に変態って思われるぐらいなら死ぬ」
「いつもいつも心を読むな!それと失礼だ!」
ムカつく妹を部屋から放り出して、俺は布団をしまってから着替えに移る。
にしても、やけに家が静かだな。今日は『保健体育のスペシャリスト』ことクソ親父がいるはずなのに。ちなみに、ばぁちゃんはこの時間は散歩に行っている。
そこで、昨日のモヤモヤが再び生まれだす。モヤモヤよ、まだいたのか。
だが、それらが解消される事は無く、俺は依然として感情を整理出来ずにいた。
とりあえず、カラオケで歌いまくるか。
ストレス解消のつもりでいっぱい歌ってやる。
この間の件を踏まえ、黒ジャージから黒パーカーに変えた俺は部屋を出て、一階に向かう。
そして、再び妹と顔を合わせるのだが……。
「何でお前は体操服なんだよ!」
この妹、学習能力無いのか?マジで不審者に捕まるぞ。
すると、志乃は無表情でこう言ってきた。
「兄貴こそ、自分から逃げようとしたのに、よく黒パーカーなんて着たね」
……え?今こいつ、なんて言った?
俺の驚
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