EPISODE19 放課後
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昼休みも終わり、午後の授業もとりとめもなく終了しあっという間に放課後。今日は第2アリーナの格納庫にて簪との約束があった。
「簪、いるかい?」
「こっち・・・・」
ISのパーツの山に埋もれながら作業する簪。近くには同じクラスの布仏本音さんの姿もある。話によるとどうやら彼女は簪と幼いころからの付き合いらしく、それで今回も製作の手伝いをしているんだとか。作業工程をみればなかなか優秀なメカニックの腕をしている。的確なパーツを瞬時にセレクトし、合わないとわかるとすぐさま最適なものを選んで組み込んでいる。これだけいろんなものがごった返している中これほど効率よくできる人間はおそらく三年のエキスパートでもなかなかいないだろう。
これなら僕がいなくてもいいんじゃないだろうか。そう思い始めていると簪に呼ばれた。
「これ、どかな・・・・?」
「僕よりもこれは布仏さんの方が詳しいんじゃないか?」
「・・・・これは、あなたにしかわからないから・・・・」
手にしている端末を見るとディスプレイには見たことのある武装が。特徴的なフォルムのそれはたしかに僕にしかわからないものだった。
「ハドロンブラスター?」
「うん・・・・今のままだと、火力に欠けるから・・・・どう、かな?」
どうもこうもこれは少し・・・・いや、かなり無茶した設計だ。あの武装は威力は確かに高いがその分のデメリットも大きい。燃費や使い勝手、威力の凄まじさと問題点はある。
「たしかに火力不足は補えるかもしれない。でも、これを使うとなると相当なモノを必要とされるよ?」
「なに?必要なものって、パーツ・・・・?それとも、技術・・・・?」
「・・・・覚悟だよ。これだけのものを使うにはそれ相応の覚悟がいる。基本的な制御はISがやってくれるけど、引き金を引くのは自分なんだ。使うこと、勝負に勝つことだけ考えてたらただ相手を傷つけるだけのものになってしまう」
ISも同じだ。元は宇宙開発を目的としたパワードスーツ。それが何を間違えたのか今じゃ世界最強の兵器になってしまった。たくさんの条例で縛りはあるが、それでも危険なものには変わりない。一歩間違えれば戦争の道具としてこれほど適したものはないだろう。
そうなれば、世界は・・・・。力を使うものにはそれ相応の責任がある。それを簪にはわかってほしかった。
「・・・・あなたの言いたいことはよくわかった。でも、これだと・・・・」
納得のいかない簪は端末を握る手に力を込める。彼女としてはわかっていてもどうしても納得できないんだろう。
「・・・・なら、これはどうかな?」
クラブの簡易データを簪の端末に転送する。
「・・・・これは?」
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