EPISODE15 転校生
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今日は転校生を紹介します」
今日の朝はそんな山田先生の一言から始まった。どうやらこのクラスに今日転校生が来るらしい。しかも二人ときた。彼女と同室である僕はそのことを事前に聞いていたからさして驚きはしないが、この時期に転校生とはなんとも突然だ。
「では、入ってください」
先生の号令で扉が開けられ転校生二人が入室してくる。金髪の、片方は男子制服を。片方は背の少し高いロングヘアーの女の子だ。「では自己紹介をお願いします」と促される。
「私はモニカ・クルシェフスキー。こちらに居られるシャルル・デュノア様の護衛兼お付役です。以後お見知りおきを」
綺麗でかわいい。礼儀正しく、貴族のような風格さえある。それが彼女に抱いた第一印象だ。
「シャルル・デュノアです。ISを操縦できる男子で、こちらに僕とおなじ境遇の方がこのクラスに・・・・」
と、シャルルと目があう。数度目をぱちくりさせたあと驚愕の声をあげた。
「え、ええ!?おおお、男の子!?」
「そ、そうだが?」
無理もないと思うが、いかんせんこのリアクションがあまりにも新鮮で逆にこちらが驚く。
「シャルル様。公の前です」
軽くパニックになっているとモニカがシャルルをなだめて落ち着きを取り戻した。
「そういうことだから、織斑、蒼月。同じ男子同士だ、いろいろと面倒をみてやれ」
「お言葉ですが織斑教諭。シャルル様には私が付いていますので彼らのサポートは不要です」
教室の空気が騒然とする。織斑先生はこのクラスにおいてはルールブックのような存在だ。その彼女に意見するということは絶対王政の世に王にはむかうのも同然の行為。
つまるところ、無謀で怖いもの知らずである。
真っ向から視線を返すモニカ。彼女はただものではない。
「・・・・同じ男子なんだ。女のおまえにも立ち入れぬ領域というものがあろう?それとも、おまえが常に張り付いていなければならないような理由、もしくはばれてはいけない秘密でもあるのか・・・・?」
威圧、威嚇。そんな気迫さえかんじる視線は鋭く、まっすぐだった。それに分が悪くなったと感じたモニカは「とんだご無礼をしました。もうしわけありません」と謝罪の言葉を述べる。
「まあ、お前の気持ちもわかる。そこの二人、片方はバカでもう片方はアホだがどちらも他人を騙すような卑劣なことはせん。ましてや織斑は私の弟で、蒼月は弟の親友と聞く。おまえの主人に害するようなことはしない。保障する」
・・・・ほめられているのかけなされているのかわからないが、多分前者なんだろう。それにこの学園で問題を起こそうものならそれは独房行もありうること。そんなことは御免こうむる
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