EPISODE5 ツインテールにご用心
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っかりしておこうと一夏の件を聞いて思った。
「代表候補ってことは専用機持ちか?」
この質問を投げかけた瞬間、簪の顔がすこし・・・・いや、かなり陰った。触れてはいけないことだったのだろうか。
「すまない。きみにとってこの質問は立ち入られたくないものだったか」
「・・・・ううん。大丈夫・・・・」
明らかに気にしている。気が優しい子なんだろうか、努めて表情を明るくしている。
「・・・・もしよかったら、僕にも手伝えないか?」
「え・・・・?」
「たぶんだと思うが、きみはISをくみ上げようとしてるんじゃないか?」
勉強の為だとも思えるが、それだけだとこの本は難しいことばかりでとても一年生のうちに習うようなことは書かれていない。
だとすれば、さっき僕が言った「専用機持ちか?」という質問での彼女の反応と日本代表候補生という立場。そこから推測されることは。
「きみの専用機はなんらかの理由で製作が途中で断念された。きみはそれをなんらかの形で回収し自身の手で組み上げようとしている・・・・違うかい?」
「・・・・蒼月君」
「ライでいい」
「ライ君・・・・あなた、何者?」
この学園に来てもう何度目かの質問だ。これからは迂闊に推論を述べるのはやめにしよう。
「ただの転校生だよ」
◇
それから簪とアドレスを交換して彼女からの連絡があったら手伝うということで僕たちは別れた。それからセシリアと合流し、今は学園の内部散歩コースを散策中。のどかな昼下がりの太陽が心地いい日差しをあびせてくれ、風もない。まさに散歩日和だ。
「なにか見つかりましたか?」
「これといってなにも。図書館にもそれらしいものはなかったから、多分この学園にはないんじゃないかと思い始めてきた」
がっくりとうなだれるセシリア。最初の印象からずいぶんと変わった彼女とは、今ではよく行動を共にすることが多くなった。メディカルルームでの“約束”をこうも律儀に守ってくれるとは非常にうれしい反面申し訳ない気持ちもあった。
「・・・・セシリア、僕は―――――」
言いかけて、ドン!と背中に何かがぶつかった。あまりにも突然なことですこしよろめく。足がもつれぬよう態勢を立て直そうとするが、すでに時遅し。そのまま倒れてしまった。
「ひゃん!?」
顔に、なにやら柔らかくておおきなものが。嫌な予感しかしない。
「ライさんて、意外と大胆なんですのね・・・・」
慌てて飛び退く。
「すまない!こんなつもりは微塵もないんだが・・・・」
「ちょっと!少しはあたしのことも気にかけなさい
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