EPISODE4 クラス代表選抜戦〜その3〜
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と思うがなんとも都合のいい記憶喪失だな。
「その・・・・記憶がないというのは、どんな感覚なんでしょうか?」
「・・・・一言でいうなら、無色だ」
「無色?」
「どんなに綺麗な景色を見ても。どんなにいい映画を見たとしても、その全てが色あせて見えるんだ。まるで世界が色を持たないように」
別に色覚異常がるわけではない。色はちゃんと判別できるし、今セシリアの髪だって綺麗な金髪をしているのがわかる。
無色に見えるのは僕に記憶がないから。自分という存在がごっそり抜けおちていてこの世界にその存在を見出すことができないため。ISに乗っていても、これは思い出すということはなさそうだ。
「・・・・なら、私にあなたの記憶探しを手伝わせていただけませんか?」
「いいのか?」
「はい。ここまで聞いたら、引きさがれませんもの」
たのもしいまでの笑顔。その笑顔が、今がまぶしく見えた。
「・・・・ありがとう。セシリア」
彼女の笑顔に僕も笑顔で返した。
◇
「お疲れさまですライ君」
その日の夜。自室――――といっても山田先生と同室なのだが――――にもどった僕はクラブの調整をPCでしながら彼女の帰りを待っていた。
「先生こそお疲れさまです。ココア、飲みますか?」
「いただきます」と返答を聞いてキッチンの棚からカップを二つ取り出して粉末を入れてからお湯を注ぐ。甘い香りが部屋中に広がりその日の疲れを癒してくれる。
「はぁ〜・・・・癒されますねぇ〜・・・・」
リラックスしている彼女の様子を言葉で表せと言われたらはにゃ〜んという言葉が似合うだろう。その様子がおかしくて思わず吹き出してしまった。
「すみません、その・・・・なんだかかわいかったもので」
「か、かわ・・・・!?おおお、大人をからかっちゃきけましぇんよ!?」
噛んだ。そしてまたすこし笑う。山田先生赤面。
「んんッ!わ、私は先にシャワーをつかわせてもらいます!」
「わかりました。では、終わったら連絡してください。屋上にいるので」
「え、どうしてですか?」
「・・・・さすがにタオル一枚でしかもお風呂あがりの山田先生の姿を何度も見るわけにはいきませんので」
今度は二人して赤面。「それでは」と部屋をでて屋上へと向かった
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