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消えていくもの
第一章
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そこでこの人と一緒にいるし」
「はい」
 彼女の横にいる眼鏡をかけた彼が周りに対して頷いた。
「僕は花子と一緒にいますので」
「健三君は銀行員だったな」
 一郎はこう彼に問い返した。
「確かそうだったな」
「そうです。そして花子は看護婦で」
「そうだったな。大阪は楽しいか?」
「ええ」
 兄の言葉にこくりと頷く花子だった。

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