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空を見上げる白き蓮 別事象『幽州√』
第二話 彼の思惑は彼女達の為に
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を治める主として心身ともにすり減らしている白蓮を助けたい、という想いが徐々に膨れ上がっていく。
 誤魔化すように苦笑して、秋斗はポリポリと頭を掻いた。

「クク、なんか頑張れる気がしてきたよ。今度はまた違った料理も作りたいし、出来る限り早く終わらせて楽しい酒宴を開こうか」

 まだ戦がどういったモノか知らないから、覚悟が決まっていないから、白蓮の元で働くとは言わない。
 しかし……彼の心はこの時を以って、白蓮の方へと傾いていた。

 その後、今後の方針を軽くだけ話した二人は、おやすみと言い合ってそれぞれの寝所へと向かう。
 歩きながら、秋斗はぽつりと呟いた。

「大局を捻じ曲げるってのも……いいかもしれない。劉備が三人の王として立たないなんて選択肢も、世界を変える為にはアリだろ」

 空に半月が浮かぶ静かな夜の事。
 にやりと笑った彼は想いを馳せる。
 世界を背負う白馬の友が、大局という膨大な流れに逆らう事を決めた日であった。
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